loNG THE PRINCE OF TENNIS dreAM
0-3
「え………
いいんスかあ!!?」
『大丈夫、大丈夫。ちょっとくらいなら平気よ!
……ラケット持ってる?』
「え…あ、はい!もちろん!!」
『よし!じゃあ準備してて。今、誰かに審判頼んでくるわ!』
そう言って先輩は走っていった。
─やった
─やった
─やった
─試合が出来る
─藍羅先輩と
─藍羅先輩だから、嬉しいんだよな……
2、3分後…
先輩が1人の部員を連れて戻ってきた。
『お待たせ!』
「いえいえ、大丈夫ッスよ!」
「君が、桃城武君…?」
「あ、はい!」
「ふーん…」
ずっとニコニコ笑ってる…
なんなんだ、この人…
ずっと笑ってるのって、なんか逆に怖い…ι
『武、彼は不二周助。私と同じ学年で、クラスも一緒なのよ!』
「へぇー」
ぶっちゃけそんなことはどうでもよかった…
さっきからその不二先輩に睨まれてる…ι
…なぜだ!!?
「ねぇ」
「?……何スか?」
すると不二は桃城に近づき、小声で言った。
「まさかとは思うけど、一応言っておくよ。
藍羅は誰にも渡さない。
…もちろん、君にも」
「(なっ…)!!!?」
「ふふ……
さぁ、始めようか?」
『えぇ。お願い』
「…………ι|||」
『?』
俺は動けなかった。
かなりショックだった。
今さっき初めて会った俺と、1年前から一緒にいる不二先輩。
いや、もしかしたらもっと前から一緒かもしれない。
…そう思えば思うほど悔しくて、どうして俺はもう1年早く生まれなかったんだ。と、無性にイラついた。
『………けし』
『……たけし』
『…武!!』
「うわあ!!?」
相当考え込んでたようだ。
めちゃくちゃビビっちまった。
かっこわりー。。。
『武、大丈夫?』
「大丈夫ッス!心配することないッスよ!!」
『なら、いいけど…
武!』
「?」
『お互い、全力でやりましょうね?』
「!!………はい!!」
俺と先輩はコートに入って、ネットを挟んで立つ。
『手加減は…』
「なしッスよ?」
「『……フッ』」
俺はやたらとさっきの不二先輩の言葉を気にしていた。
2人がどういう関係なのかは知らねぇけどよ…
それならこっちにも考えがあるぜ!
だいぶコートの外に人が集まってきた。
みんな俺らが試合をすると聞いて来たのだろう。。
ちょうどいい。
桃城武。
俺はやる男だぜ!!!!
「藍羅先『フィッチ』え…」
たった今、ものすごい重要なことを言おうとしたんだけど…
まぁ、いいか。。
「えぇっと、じゃあ…ラフで」
『オッケー』
そう言って先輩はラケットを回す。
カタン─
『ラフ』
「え?」
『サーブ、どうする?』
どうやら俺が勝ったみたいだ。
「じゃあ、一応もらっといていいスか?」
『えぇ。どうぞ』
俺は先輩からテニスボールを受け取った。
そして──
「藍羅先輩!!」
『…?』
歩き出した先輩を止める。
先輩がこっちを振り返る。
ギャラリーも何だ何だと騒いでいる。
─こんなセリフ、二度も言う勇気はないから、これ一度っきりだ!
俺は思いっきり息を吸い込んだ。
「先輩!」
『?』
「もし、もしも俺が、この試合に勝ったら…」
『………』
「勝ったら…」
『………』
「俺と…
俺と付き合ってください!!!!!」
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