loNG THE PRINCE OF TENNIS dreAM 0-1 Genius 001 王子様現る 柿の木坂テニスガーデン── 藍羅は、今日ここで開かれるテニスの試合を見に来ていた。 『もう、遅いなぁ…。スミレちゃんったら。自分から誘ったくせに…』 「ねぇ!」 『…ん?』 わりと近くで聞こえた声。 「グリップは覚えたの?」 『(グリップ…?)』 「なんなら、あんたにテニスを教えてやるよ!」 見ると、そこには赤いジャージを着た、自分より数センチ背の低い男の子がいた。 ベンチには二つ結びのみつあみの女の子。 男の子の見る先には… 『(あれって、今回の16歳以下の部の優勝候補の… …名前なんだっけ?)』 「テメェ…」 『(あとべ…? あ、それは景吾だ。 じゃあ… …すわべ…?あ、それは声の人だ。)』 そうこう考えている間に、赤いジャージを着た男の子達はテニスコートへ移動していた。 『(私も見に行こうっと!)』 待ち合わせそっちのけで、彼らについていった。 [次へ#] |