loNG THE PRINCE OF TENNIS dreAM
0-5
部活も進んで、夕日が輝き出した頃…
「ラケットも持たずに来るとは、いい度胸じゃねぇか!」
「ん?」
「素振りなんか必要ねぇってか?」
「期待の新人君だからな!!」
「「「アハハハハ!!」」」
「ん?…おい」
「ん?」
「荒井のやつ、1年とまたもめてるぜ?」
「どうする?止めるか?」
「部長たちが戻って来たら、またどやされるしな〜」
「うーん…」
「ケッ」
『(リョーマ…)』
荒井たちは、ボロボロの古いラケットをリョーマに渡した。
「1年のお前には、そのラケットがお似合いだぜ!これに懲りて二度とでしゃばんじゃねぇぞ。
そうすれば大事なラケット、三本とも出てくるかもな!!」
「「「アハハハハ!!!」」」
リョーマの目が光った。
「あれ、今回は止めないんだ?」
『止める…べきなんだけど、
…ちょっと見てみたくて』
「えっ?」
『…………』
リョーマはコートに向かって歩く。
「お、おい越前、どこへ…」
「いるよね、弱いからって小細工するやつ」
「なんだと?俺が隠したとでも言いたいのか!?」
「さあね。
いいよ、やろうか?」
「くっ…」
「うーん、確かにね。もうちょっと見てみたい」
「そう言うと思った…」
「アハハ……
(でも、君が見たいって言った理由は、僕とは違うんだろ?
藍羅?)」
『…………』
「いい度胸だな。こてんぱんに叩きのめしてやる」
騒ぎに乗じて桜乃と朋香もやって来た。
「行くぞ!」
荒井がサーブを打つ。
リョーマは下から打って返そうとするが、ネットに当たってしまった。
「あぁっ!」
「やっぱりあんなラケットじゃ無理なんだよ…」
「おらおらどうした?一度デカイ口を聞いたんだ。最後までやってもらうぜ!…オラ!」
──ガシャン!
ボールがフェンスに当たる。
「まともに打ったって、ムダだろうな」
「そうだね」
「うーん…あんなガットじゃ、まずスピンはかからないよね」
『…………』
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