loNG THE PRINCE OF TENNIS dreAM
0-1
Genius 002 サムライ・ジュニア
青春学園中等部入学式─
『懐かしいなぁ…。私も二年前の今頃、ここに入学したのね〜』
「な〜に暢気なこと言ってんだよ、藍羅。ババくせぇぞ?」
『悪かったわね!』
…なんて言い合いながら、藍羅達は学校内の道を通って、テニスコートに向かう途中だった。
「おっと…」
『ん?』
隣を歩いていた桃城が急に止まったため、桜を眺めていた藍羅は何かと前を向き直る。
「前見て歩かねぇとぶつかるぜぇ?」
と、桃城は言う。
桃城にぶつかりそうになった
…多分1年生。
『(あれ?この子、どこかで…)』
ちょっと青みが交った黒髪で、目の大きい男の子を、じっと見つめる。
………目が合った。
『!!(この子…)』
「(!!…綺麗な人…//)
…アンタ、誰っスか?」
『えぇっと…』
回答に困っていると、眉毛が繋がった、これまた多分1年生の男の子が走ってきた。
と、いきなり…
「あぁっ!!あ、あなたは…!!!」
『?…私?』
「もしかして、羽山藍羅さんじゃないですか!?」
『えっ?…えぇ、そうだけど』
「やっぱり!青学テニス部の、レギュラーなんですよね?」
『…えぇ』
「スッゲー!本物だ!!
…っていうか越前、お前レギュラーの人と知り合いだったのかよ?」
『…越前………』
「あっ、申し遅れました!僕、テニス部入部希望の新入生、堀尾聡といいます!入学早々レギュラーの方とお話出来るなんて…光栄です!!」
目をキラッキラさせて言う。
『あ…ありがとう』
そう言って微笑むと、堀尾に、心なしかリョーマも顔が赤くなっていた。
……………なぜ?
「ほ、ほら越前!お前も自己紹介しろよ!」
するとリョーマは、藍羅の方を見て、言った。
「アンタさぁ…」
『ん?』
「青学テニス部のレギュラーって…
女子の?」
『え…
えぇ、まぁ、そうよ』
「おい越前。俺が言ってんのは男子の方だぞ?」
「男子…?」
『あ、私、男子の方でもレギュラーよ?』
「ふーん、珍しい」
『あ…うん』
なぜか曖昧な返事しか出来ない。
「って、ことはさぁ…」
『?』
「強いの?」
『!?』
藍羅は目を見開いた。
なぜなら、リョーマの目が今までと違って、急に輝き出したような気がしたからだ。
『私は………
(クスッ)そうね、強いかもね』
「へぇ………
あ、俺は越前リョーマ。
ちなみに俺も、テニス部入部希望の新入生なんで、よろしくお願いします……
藍羅先輩vV」
『あっ………
えぇ、よろしく』
“藍羅先輩”と呼んだのが気に入らなかったのか、桃城はリョーマに言った。
「にしても…」
「?」
「こりゃまたずいぶんでっかいバッグ持ってんなぁ…」
だが…
リョーマは桃城を睨み付けたまま何も言わない。
「ん?…お前目付き悪ぃなぁ。………ま、1年坊主だから許してやるけどよ!
前見て歩けよ、前!
行くぜ、藍羅」
『あっ、えぇ。
…えっと、じゃあまたね、堀尾君に……
リョーマ君?』
そう言って、桃城のあとについていった。
その後のリョーマの反応は、皆さんのご想像におまかせ、おまかせ。
「なぁ、藍羅?」
『何?』
「お前さぁ、あの1年坊主と知り合いなのか?」
『えっ…
うーん……
知り合いっていうか、ちょっと見たことある。って感じ』
「ふーん」
それ以上、2人は何も言わなかった。
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