loNG THE PRINCE OF TENNIS dreAM
0-1
──もし俺が勝ったら、俺と付き合ってください!!───
─一年前
─俺はここ、青春学園に入学した
「ぅえ〜!あちーなー、あちーよー」
『武ったら!まだ4月なのに、もう暑いなんて言ってるの?しかもまだ5周しか走ってないじゃない!!』
「んなこと言ったってあちーモンはあちーんだよ!」
『もう!』
こんな会話が、今じゃ当たり前になっちまった。
一年前はこんなふうに藍羅と話すなんて、思いもしなかったけどな〜
『………ふふ』
「?…なんだ?」
『ううん。なんか、一年前を思い出しちゃって』
「一年前?」
『えぇ』
藍羅は視線を、地面にへたり込んでいた俺から素振りをしている越前に向けた。
『武も、あんなだったんだなぁ。って思ってね』
「俺はあんなに生意気じゃなかったぜ?」
『あら、そう?』
『ふふふ』と笑う藍羅。
俺は一つ、ため息をついて、空を見上げた。
一年前。
青春学園に入学した俺は、迷わずテニス部に入るつもりだったから、入学式が終わったあと、テニスコートに行ってみた。
「ここで三年間、テニスをするんだ」
そう思っただけで、すぐにコートで打ちたい。と思った。
「うおーー!やってる、やってる!!」
コートを覗くと、ジャージを着た先輩たちが打ち合ってて、なんだか見ているだけでは物足りなくなってしまった。
「あ〜あ〜!来てみたのはいいけど、なんっか物足りねぇよなー、物足りねぇよ!!」
それでも、とくに家に帰っても何もすることがなかったため、なんとなくコート内を眺めていた。
─そう…今思えば、これが間違いだったんだ
─なにがなんでも家に帰るべきだった
─今さら後悔しても、遅ぇけどよ
Genius 008.7 俺が勝つまで−桃との出逢い
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