loNG THE PRINCE OF TENNIS dreAM
0-2
「ちょっと焦ったか。まだまだだね。
さすが乾先輩。アウトになるの読んでたんでしょ？」
乾は強くラケットを握る。
乾のサーブ。
「行くよ。…右！」
「あれはスプリットステップだよ」
不意に不二が言った。
「スプリットステップですか？」
「うん」
「ふふふふふふ…
お前らそんなことも知らねぇでテニスやってんのかよ？スプリットステップなら、この堀尾様に任せといて！」
堀尾が自慢気に言う。
「堀尾君、知ってるの？」
「テニス歴２年の堀尾様に出来ないわけないじゃん！テニスの基本中の基本だぜ！
相手が打つのと同じくらいに軽く上に跳んで、両足のつま先でピッと着地することだよ！
これをやると、半歩速くボールに反応出来て、次の足が踏み出せるんだ！」
「「へぇー凄い！」」
「…って、なんで速く踏み出せるの？」
「んあっと！？それはほら、あれだよ！………
ねぇー、先輩？」
不二に答えを求める堀尾。
「筋肉の伸縮の反動を利用して、ダッシュにつなげるんだよ」
「筋肉の伸縮の反動？」
『スタートが半歩速くなれば、１メートル先のボールに届く。ってこと。
つまりリョーマは、貞治の予測を上回る動きが出来る。ってわけ』
「凄ーい！みんな詳しいのね！！」
「お前が知らないでどうする…ι」
試合は続いている。
リョーマがスマッシュを打つ。
それは乾のコート内に入る。
「15-15」
乾がサーブを打つ。
「次は右に打って、前に出るよ！」
「攻めに転じたな」
「「リョーマ様ーーーvV！！」」
リョーマは乾のボールにどんどん追いつく。
「速い！」
「スプリットステップ自体は、基本中の基本」
『えぇ。でもリョーマのステップは…
あのまま着地すれば、基本通りだけど、あのステップは…片足』
「もう追いついてる！」
「左！」
乾が打ち返す。
「あ、抜かれた！届かない！」
だがリョーマは見事に打ってみせる。
「次も左」
「リョーマ君、凄い！」
「右に打つよ」
乾はラケットを伸ばすが、ボールはラケットに当たり、コート内に落ちた。
「15-30」
周りが騒ぎ出す。
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