loNG THE PRINCE OF TENNIS dreAM
0-1
Genius 008 スプリットステップ
「いろんなテニスを…」
「倒せるということは…」
「越前のやつ、この試合ひっくり返すつもりだ!」
「ん?」
リョーマはゆっくりと軽くその場でジャンプする。
「最近やっと出来るようになったステップがあるんだけど…
出来れば温存しておきたかったね。
全国…大会まで」
「「「え………」」」
「アイツ…」
『ぁ………』
これには藍羅も驚きを隠せない。
何しろ、「全国大会まで温存しておきたかった」ということは、リョーマは全国大会に出場する気でいるのだから。。
「かっこいー!今の聞きました?井上先輩?」
「全国大会とは、大きく出たね」
「…井上先輩、私決めました!」
「何を?」
「今日から、越前リョーマの密着取材、始めます!」
「密着取材!?」
「「「えーー!!?」」」
『………ι』
「だってなかなか言えるもんじゃないですよ?あんなセリフ。
『出来れば温存しておきたかったね。全国大会まで…』
…いやーん!可愛い、リョーマ君ーvV!!」
芝が1人で盛り上がっていると、朋香が負けじと反論した。
「ちょーっとストーップ!!!」
「何、あなた?」
「リョーマ様の取材なら、このあたしを通してもらわないとね!
あたし、リョーマ様のファンクラブの会長なんだから!!」
「え?…ファンクラブ?」
「入る?」
「ファンクラブは興味ないわ。
私は全国のテニスファンに、リョーマ様の魅力を伝えたいだけだから!」
「あーー!今゙様゙って言った!゙リョーマ様゙って!!
取材なんて絶対認めないわよ!?」
「落ち着いて、朋ちゃん!
試合始まるわよ!?」
睨みあってる2人を桜乃が止めた。
「「あ……」」
乾がサーブを打つ。
リョーマは走ってボールを追う。
さらにリョーマは言った。
「面倒でしょ?もう予測しなくていいよ。
右に打つから!」
「そんな手にのるか!!」
乾もボールを打ち返す。
「次は左!」
「なんだ?打つとこ教えてどうすんだよ、越前!?
あれじゃ乾先輩じゃなくても打ち返せるぜ!?」
「次は右」
乾、リョーマ、乾…と、にラリーが続く。
「ほら、言わんこっちゃない!全部返されてる!」
「でもさ、堀尾君。リョーマ君、乾先輩と同じくらい、ポジションにつくの速くなってるよ!」
『…………』
「後!」
リョーマがロブで返す。
すかさず乾はスマッシュを打つ。
だがリョーマはそれに追いつく。
「今度は左ね」
リョーマの打ったボールはアウトボールになった。
「アウト!15-0」
「惜しい!もうちょっとだったのに!」
「乾先輩、全然動けなかったね!」
「うん!リョーマ君凄い!さっきと全然動きが違うよ!!」
「ふっ…」
「…かっこ良すぎ!!」
『スプリット、ステップ……』
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