loNG THE PRINCE OF TENNIS dreAM
0-1
Genius 004 マムシと呼ばれる男
──今日は月に一度の【校内ランキング戦】。
──国光に聞いたら、なんかリョーマも出るみたいじゃない?
─ほんと、最近飽きないのよ!
─青学テニスコート
「出たー!桃のダンクスマッシュ!!」
「ゲームウォンバイ 桃城!6-0」
「足のほうは、もう大丈夫みたいだね」
「今回は間に合わないと思っていたのにな!」
「1週間も休めば、体が鈍(ナマ)っちまいますよ!
いいリハビリになったっス!!」
「リハビリね…言ってくれるぜ」
『ほんとにね』
「………うわっ!!藍羅…」
ちゅー…と、藍羅が飲んでいるのは“森中の結構おいしい牛乳”。
「あれ?藍羅…さっき試合始めてなかった?」
『あぁ、それならもう終わらせてきたわ』
「あ…そう」
『えぇ』
ニッコリ笑いながら言う藍羅だが、
「「(『終わった』じゃなくて、『終わらせた』なんだ…ι)」」
「そういえば今日のランキング戦は、越前も出るんだってね?」
「え、マジ?」
『そうよ。だから私、リョーマのために全部の試合終わらせてきたんだから!!』
「「(さっきの試合、最後だったんだ…ι)」」
ちなみに、今はランキング戦が始まってから約30分経過…((オイι
─昼休憩の時間になった。
「よーし!昼だ昼だー!!」
レギュラー陣は一緒に昼食をとるため、屋上に集まっていた。
『英二!急いで食べすぎて、喉に詰まらせたりしないでよ?』
「分かってる、分かってる〜!……
…ウッ!ンー!ンー!!」
さっそく詰まらせたみたいだ。
『ああっ!もう!言ってるそばから…
はい、お水!』
「ンー!」
菊丸は必死で水を受けとると、すぐに口へ流し込んだ。
「プッ…ハーー!!
死ぬかと思ったにゃ〜ι」
『まったく!急いで食べるからそうなるのよ?
もう少し落ち着いて食べなさい!』
「はーい…」
少ししゅん…となる菊丸。
「アッハハハハ!英二先輩も子供ッスね〜!!」
「う〜…桃ー!!」
「イッヒヒヒ…
…ウッ!ンー!ンー!!」
今度は桃城だ…ι
『ちょっと、武も!?
はい、お水!!』
「ンー!」
菊丸同様、必死で水を受けとると、すぐに口へ流し込んだ。
「プッ…ハーー!!
死ぬかと思ったぜ!ι」
『もう!2人とももっとゆっくり食べなさい!
それから、口に食べ物を入れてるときは、喋らないこと!……いいわね?』
「「はい!!」」
『よろしい』
まるで菊丸と桃城のお世話係だ。
「ところで、みんな?」
『?』
「なんだ、不二?」
「このあとの越前の試合、見に行くよね?」
「ああ、もちろん。
なんてったって、今年の期待のルーキーだからな!」
大石が答える。
「俺も見に行く。どんな選手なのか気になるし、もしかしたら、次の俺の対戦相手になるかもしれないしな」
「ギラッ」
乾の言葉に、海堂が鋭い視線を向ける。
「いやいや。別に海堂が負けると言っているわけじゃない。
興味があるだけだ」
「ケッ」
「俺も見に行くよ。やっぱり、なんだかんだ言っても、気になるしな」
河村も返事をした。
「桃と英二は?」
「もちろん、見に行くにゃ〜!」
「越前には、レギュラーの中で俺が一番最初に会ってるんスよ!
それに後輩だし!ちゃんと見届けますよ!」
菊丸と桃城も、当たり前。とでも言うかのように返事をする。
「ふふっ…そうだね。
……藍羅は?」
『もちろん!見に行くに決まってるわ!
リョーマは、私の王子様なんだからvV』
「「「ピクッ…
…王子様?」」」
『そうよ!私の王子様vV』
「「「越前…(怒)」」」
『国光は?』
ふと藍羅が尋ねた。
「ああ、俺も見に行く」
「「「「「「「『!!?』」」」」」」」
全員、驚きを隠せなかった。
手塚があまりにも即答したからだ。
「それだけ越前(リョーマ)が期待されているのだろう」と、誰もが悟った。
昼休憩終了──
Dブロックのコートは、ピリピリした空気が流れていた。
「いよいよ、越前とレギュラーか」
「あの海堂相手に、どこまで食らいついていくか、楽しみだな」
『………』
藍羅は誰に何を言うわけでもなく、ただ静かにコート内のリョーマを見ていた。
「ザ・ベスト・オブ・ワンセットマッチ 越前サービスプレイ」
試合が始まった。
リョーマはボールを高く上げる。
「フシュー」
互いに打ち返す。
リョーマがスマッシュを打った。
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