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〜みんなのBirthday〜
2008 8月10日



俺とあいつが出会ったのは、あの夏祭りの日だった。







































8月10日








































「おい、藍羅」

『何〜?』


俺は今、鬼兵隊の船の中で、読書をしている藍羅に話しかけていた。



「何、じゃねぇよ!


……………なぁ、オメェよぉ、俺らが初めて会ったときのこと、覚えてるか?」


『初めて会ったとき?…………

…あぁ、夏祭りのときだっけ?』


「ああ。それで……」

『それで?』


「いや、あの………

…なんでもねぇ」


『何よ、気になるじゃない?』

「なんでもねぇよ!!」

『………なら、いいけど』














一年前の、8月10日に行われた夏祭りの日、俺はメインの花火を見に来ていた。


そのとき、俺の隣りで花火を見ていたのが、藍羅だった。

いつもの俺なら、周りの奴なんか気にしねぇんだが、藍羅は別だった。


花火を眺めていた藍羅は、俺が見惚れるほど美しかった。

さらに俺の気を引いたのが、




涙。


花火を見ていた藍羅は、泣いていた。

静かに、綺麗すぎる涙を流していた。

俺はなぜか、周りにいた他の野郎共にその涙を見せたくなくて、気がつくと藍羅の手を取って歩いていた。








『あ、あの……?』

藍羅が話しかけてきて、ようやく自分の行動に気がつき、手を離した。

「あ…わりィ」

『いえ………

…あの』


「あ?」

『ありがとうございました』

「…?」

『私が泣いていたから、連れてきて下さったんですよね?

…ありがとうございました』


「………なんで泣いてた?」

『…お恥ずかしいのですが、失恋…

…してしまいまして』


「!!……お前が?」

『はい…』



信じられなかった。こんなに美しい、綺麗で清楚な奴を、フる野郎がいるのか?









「なら……」




『…?』






普段の俺なら言わねぇようなことを、俺は言っていた。













「なら、俺はどうだ?」





『えっ…?』







「俺の女に…ならねぇか?」








『女…といいますと?』







「…(鈍いのか?)俺と一緒に来ねぇか?」










『!?………







…はい///』




















つーわけで、藍羅はそれから、鬼兵隊で俺の側にいる。




そして俺は、今でも自分の誕生日に藍羅と出会えたことを、奇跡だと思っている。













『あ、晋助』





「…んだよ?」







『誕生日おめでとう』








「!?

…オメェ……」









『今日、晋助の誕生日なんでしょ?万斉から聞いたわ』





「そうか…」






『あと、誕生日プレゼントなんだけど……』






「?…なんだよ?」













『………私じゃ…

………ダメ?』






焦った。いきなりこっちを見て、そんなことを聞いてくるから。










「藍羅、お前……




………バカか?」


『へっ…?』



「俺はお前が、俺の誕生日を覚えてようが忘れてようが、プレゼントを用意してようがしてなかろうが…

初めからお前をもらうつもりだったぜ?」


『!!

………私だって…』


「あ?」

『私だって、初めから晋助にあげるつもりでいたわよ!』


ゆっくり近付いて、藍羅を抱き締める。



「……はっ!一生離さねぇからな!!」

『上等よ!!拒まれたって一生離れてやらないんだから!』


「藍羅…」

『ん…?』



「愛してる…」








8月10日……

この日に生まれたことと、あの夏祭りがあったこと…


この二つの奇跡に、感謝しなければいけない。




















8月10日

END.

あとがき↓








































----------------------
あとがき


今回初めて高杉夢を書きました!

アンケートを取っているのですが、今のところ高杉が一番票数が多いので、これから短編では高杉を増やしていこうかな。と思っています。

今日は記念すべき高杉様の誕生日ですね!!

素晴らしい日でございます!!



では、最後に…

空知英秋さん、子安武人さん、ありがとうございました!

高杉、誕生日おめでとう!

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あきゅろす。
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