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〜みんなのBirthday〜
2010 10月4日



もらい飽きた。

誕生日だからってなんなんだ。

もういらねぇんだよ、


プレゼントなんて…









































10月4日








































幼い頃からたくさんもらってきた。

親からも、親戚からも、クラスの奴らからも、全然知らない奴らからも…


あぁ、担任にもらったこともあったな…




ったく、どいつもこいつも…

そんなに俺様とお近づきになりてぇってか。


笑わせる。





よく、≪心のこもったプレゼント≫なんて聞くが、そんなもん本当にあるのか?

あるとしたら、もらってみたいもんだな。




















10月4日───



「跡部様!おはようございます!」

「あの、これ受け取ってください!!」

「お誕生日おめでとうございます!これ、プレゼントです!」



──来た

──まただ

──また、ただの


≪俺様に近づくための手段≫


つまり、プレゼント。



プレゼントなんて、そんな物でしかねぇんだよ。










今日は1日中、俺様の周りに女子どもが張りついていた。

みんなプレゼントを渡しに来たようだったが、全て無視した。

どれも心なんてこもってなかったからな。






今は放課後。

生徒会室。

さっきまで女子どもがたむろしていたが、俺様の不機嫌さにようやく気づいたのか、すぐに帰って行った。


やっと1人で、静かになれる…






…と思ったら





コンコン──

扉を叩く音がした。



「?……誰だ?」

『あ、あの…』


女の声だ。

さっきので全員帰ったと思ったんだがな…



甘かったか。










「今は1人になりたいんだ。…帰ってくれ」

『……………』



声がしない。

…帰ったのか?



一瞬気を緩めたとき、





『あ、の…』

「!!」



なんだ、まだいたのか…

早く帰れよ…





「今は1人になりたいって言っただろうが。…いいから早く帰っ『誕生、日…』………」

『あの…誕生日、おめでとう…ございます』

「……………」

『あの、本当は跡部君に、プレゼント…持ってきたんだけど…跡部君、今日は誰からも受け取ってないっていうから…』

「……………」

『だから、おめでとうってだけでも言えたらなって思って…』

「……………」

『えっと、あの…だから!お、おめでとう!!』

「……………」

『じ、じゃあ…』















その声が去っていく気配がしたとき、俺の体は自然と動いていた。





───バンッ


「待てっ!!」

『!!?』



勢いよく扉を開けてみれば、そいつはたまに見かける隣のクラスの…


たしか、羽山藍羅。







『え…あの、えっと…』


突然俺様が出てきたから驚いているみたいだ。



「お前…羽山藍羅だな」

『あ…はい』

「……………」


羽山の手元を見ると、綺麗に包装されたいかにもプレゼントというような物を持っていた。



「それが…俺様に渡そうとしたプレゼントか?」

『え?…あ、うん』

「そうか…。中身はなんだ?」

『あの…手作りのクッキー…です』

「……………」





思わず黙ってしまった。

今までプレゼントを渡しに来たやつらはみんな半端に高い物を買って、自分が俺様に近い存在だと言うかのように寄ってきた。



…でもコイツは

手作りのクッキー…だと?


んなもん持ってきたやつ、初めてだな…










「………おい」

『?』

「それ、もらってやるよ」

『…え?』

「…っ!もらってやるって言ってんだ。よこせ」

『…でも、跡部君、プレゼントは受け取らないって…』

「……気が変わったんだよ。何ももらわないっていうのも、誕生日って気がしねぇしな」

『な、なるほど…じゃあ、これ…』

「………」





ゆっくり自分の手に置かれるプレゼント。

それはそんなに重くはなく、しかし軽くもなく。

ちょうどいい重さだった。



羽山の顔を見ると、満足そうな顔をしている。

思わず頬が緩んでしまった。





「おい」

『?』

「お前の誕生日はいつだ?」

『私?………今日』



「……………は?」

『…私ね、跡部君と一緒なんだよ。誕生日』

「そう…か。俺様と一緒か…」

『うん//』



嬉しそうに頬を染める羽山。

瞬間、俺の体が動いた。















──グイッ


『え…?』





───チュッ





そっと羽山の体を離す。


『あ、あの…///』

「フッ…これが、お前への誕生日プレゼントだ」

『…へ?』

「…なんだ?物足りないか?」

『………え』



ゆっくり指を羽山の唇に滑らす。


「頬より…こっちが良かったか?」

『や、あの…///』

「……………藍羅」

『…!?///』

「明日までに考えておけよ」

『へ?』

「明日…してやる」

『っ!!//………分かり、ました/////』

「…よし」




















藍羅が帰ったあと──



「明日…楽しみだな」


久しぶりだ。

誕生日にこんなに心が晴れているのは。





「………なかなか美味いじゃねぇの」

























10月4日

END.

atogaki↓







































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atogaki


景吾、ハッピーバースデー!!!


最近ホントに景吾への愛が強まってきて大変です

めちゃくちゃ楽しいしそんな自分がめちゃくちゃ嬉しいんですけどね



にしても今回も結構ギリギリで仕上げましたよ。

ええ、頑張りましたとも。←



なにしろ10月4日は私にとって1年で最も大切な日ですから

景吾、愛してます!

生まれてきてくれてありがとう!



ではでは最後に恒例の!





許斐剛先生、諏訪部順一さん!

ありがとうございます!

これからも景吾をよろしくお願いいたしますぅぅう!!!

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