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〜みんなのBirthday〜
2009 10月4日



なぁ、

お前はいつになったら、


この気持ちに気づくんだ…?








































10月4日








































最近、あることが俺様の日課になっている。

俺様がほぼ毎日入る生徒会室からは、中庭が見える。





一年前──

ふと中庭を見て、知った。



君の存在を。

















そいつは中庭でスケッチブックを広げると、目の前にある花壇の花を描き始めた。

よく見るとそいつは、隣のクラスの女子…


羽山藍羅だった。



羽山がペンを動かすたびに、スケッチブックの中の花が色づいていくのが分かる。

気づくと俺様は、その光景に目を奪われていた。



どうやらその絵は、文化祭に出展するものだったらしく、去年の文化祭で完成した絵を見た。

それはまるで学校内にある花壇の花には見えず、どこかの楽園にでも咲いているかのような花に見えた。



俺様はその花に、魅せられたんだ…



気づいたときにはもう、遅かった…。















それからというもの、俺様は時間さえあれば羽山を目で追った。

何をしていても、何を考えていても、目に映るのは羽山ばかり。





そんな毎日が続いていく中、今日という日が来た。


俺様の誕生日だ。




「「「キャーーー!!跡部様ーーーーー!!!」」」

やはり誕生日は凄いな。

俺様の応援がいつもより100割増だ。

忍足たちのファンは完全に押されている。

……というか一緒に俺様を応援している。



だが、全く興味はない。

一年前のあの時から、俺様の目には羽山しか映っていないんだ。


まぁ、アイツはテニス部の応援に来るようなやつじゃないことくらい分かっているからな。

変な期待はしていない。

いつになく弱気な俺様だと思うかもしれねぇが、こればかりはどうしようもなく、黙って時間が過ぎていくのを待つしかなかった。










君に想いを伝えたい─

君と心を交えたい──

君を深く愛したい───





理由は結局、君が好きだから。

君を愛しているから。


君と愛し合っている夢を創ってしまうことさえある。



俺様は、どうすればいい…?

心が凍りつく。

世界が氷で埋め尽くされたように、急に体が冷たくなる。





好き、好き、好き───





もう、止まらない。




















部活の時間ももうすぐ終わるというとき、不意に忍足たちの声が聞こえた。


「おっ、あれ藍羅ちゃんとちゃう?」


「!!?」


「ん?…おぉ、ホントだ!珍しいなぁ、藍羅がテニス部見に来るなんて!!」


飛び跳ねて言う向日。










「………藍羅?」

なんでコイツら呼び捨てで呼んでるんだ?


……………そういや向日と同じクラスだったか…



「チッ」

気づけば俺様は歩き出していて、



「えっ、おい、跡部!?」



向日の声なんか全く耳に届かなくて、



「待ちぃや、岳人」

「!?」



俺様はただ、向かっていた。

フェンス越しにこちらを見ている、羽山のもとへ。

























「おい」

『!?』


急に後ろから声をかけたから驚いたのか、勢いよくこちらを向いた。

「お前、羽山藍羅だな」

『え…あ、はい』

「ちょっと話したいことがある。…来い」

『あ……はい』


羽山はゆっくり俺様のあとを着いてくる。

実をいうと今まで話したことはない。

少なからず緊張している。















羽山を部室に入れた。

ソファに座るよう促す。

その隣に俺様も腰かける。


しばらく黙っていたが、ふと羽山が口を開いた。


『あの…』

「…?」

『えっと…ど、どうして私を呼んだ……の?』


不安そうに聞いてくる。

そんなおどおどした姿さえも愛しいと思ってしまう。


………重症だな。


「なぁ」

『…?』

「お前、好きなやついるか?」

『え……』


いきなりすぎたか。

正直、これを聞くのはかなり勇気が必要だった。

返ってくる言葉事を考えると、何かに押し潰されそうな恐怖さえ感じる。


『えっと…』

「…………」

『い、いるよ…?///』

「…………」





あぁ、終わった





でも、なぜだろう。

予想していたものが瞳から溢れることはなかった。



「……れだ…」

『えっ?』

「誰なんだ?その…お前の好きなやつってのは…」


顔を俯けて聞いた。

もし“忍足”なんて言ったらアイツ退部させてやる。。


『えっと…か、かっこよくて、頭がよくて、スポーツ出来て…っていうか何でも出来て…』

「…………」

『みんなをまとめるのが上手くて、テニス、強くて…』

「………?」

『生徒会長も、テニス部の部長も出来て、右目の下にホクロがあって…』



──おい、それって…!!



「おい、お前…『それに』…?」


『いつもいつも、私のことを見てくれてる…』


「!!!?」



俺はもう我慢出来なくなって、己の意のままに羽山をソファに押し倒していた。





『あ、跡部…君……?』

「で?」

『え…?』

「その、お前の好きなやつってのは…誰なんだ?」

『なっ…/////』


羽山の耳元に口を持っていき、甘く囁く。

「誰なんだよ?………藍羅」

『!?/////』

「言えよ」

『ぁ…べ…く…』

「アーン?聞こえねぇよ」


『ぁ、跡b…ンンッ!!?///』


俺様のことを名字で呼ぼうとしたから、藍羅の口をふさいでやった。

今まで我慢していた何かを求めるように、ただひたすら藍羅に深いキスをする。

『ンッ…ぁ、とべ…く…/////』


ゆっくり唇を離して、藍羅の顔を見る。

「……違ぇだろ」

『へ…?//』

「“跡部”じゃなくて、“景吾”だろうが」

『………///』

「ほら、言ってみろ」

『け……ご…///』

「アーン?」

『け、景吾……/////』


それを聞き、俺様はニヤリと笑い、藍羅を抱きしめた。

「藍羅」

『…?』

「愛してる」

『っ……///』


頬を真っ赤に染める藍羅を見て、よけいに愛しく思い、さらに強く抱きしめる。

すると、藍羅がモゾモゾ動き出して、俺様の腕から顔を出した。

『ね、ねぇ。け、け……景、吾?///』

「フッ…どうした?」

『あ、あのね。今思い出したんだけど、私、今日は出来ればけ、景吾に言いたいことがあって、テニス部を見に行ったの///』


まだ呼び捨てで呼ぶのは慣れないらしい。

…言いたいこと?


「…なんだ?」

『あのね…




誕生日、おめでとう』






………………………

言葉を失った。

正直誕生日のことなんて、綺麗に忘れていた。



「藍羅……」

『…?』

「サンキュ」

『!!?///』



もう本当に、本当に愛しくて、愛しくて、愛しくて………

抱きしめている腕の力をさらに強め、もう一度藍羅に熱いキスをした────






























10月4日

END.

atogaki↓








































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atogaki


跡部様ーーー!!
誕生日おめでとうございます!!

いやー、めでたい!!
大好き、大好き跡部様!!!!


ところで、今回のバースデー小説、実は今年初なんですが…←

今回は小説内に、跡部様の楽曲のタイトルをちみちみ工夫した言葉を入れています!


紹介すると…
【楽園にでも咲いている→楽園(エデン)のむこうへ】
【君に想いを伝えたい→WILL】
【君と心を交えたい→CROSS WITH YOU】
【君を深く愛したい→DEEP】
【理由は結局→理由】
【夢を創ってしまう→Dream Maker】
【世界が氷で埋め尽くされた→氷の世界】
【好き、好き、好き→好きさ好きさ好きさ】
【右目の下にホクロが→チャームポイントは泣きボクロ】
です!!


なんかワケわかんなくなってますけど…(汗)

ま、まぁとにかく!!
めでたいってことです!!



ではでは、この辺で。

それでは最後にまたまたやります!



跡部様!!誕生日おめでとう!!!(永遠の15歳♪)

許斐剛先生、諏訪部順一さん、ありがとうございました!!

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