恋愛ロジック
4*
「……んぁっ…!……いきそう…っ」
無我夢中で自身を扱き、頭の中には兄貴の顔だけがあって。くわえ込んだ指を必死に舐めながら声を押し殺す。
兄貴にはバレたくない。
安いマンションの壁は薄くて前に音楽を聞いていたら兄貴にうるせぇと怒られた事がある。
でも…もし、俺のオカズが兄貴だってバレたら兄貴は俺の気持ちに気付いてくれるだろうか?
(ダメだ…!!…それだけは、)
もし俺の想いが拒絶されたら…?もう兄と弟でいられなくなったら…?考えただけで怖くなる。
「…は、っ…んうぅっ、ふぅ!!」
だから俺は声を押し殺して果てた。ひどい虚しさだけが胸のあたりを締め付ける。
「…ごめ、なさい……」
悲しくて悔しくて涙を流しながら兄貴に謝った。
でも…
「…好き、なんだもん……」
兄貴の事が、心から。
恋しくて、愛おしくて。
狂ってしまいそうなくらい愛している。
でも拒絶されたくないからこの感情はまだしまっておこう。
「…好きだよ、兄貴」
全てを終えた時には時計の針は二時を指していた。
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