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恋愛ロジック


キーンコーンカーンコーン

お馴染みのチャイムが鳴る。そろそろ八城が来るだろうと思っているとノックとともに失礼しますと声が聞こえた。

「悪いな八城」

「いえ」

俺は机の上からプリントの束を取り、八城渡す。

「じゃあよろしくな」

そう言って肩に手を置こうとすると、パシンッとその手を弾かれた。

「は……?」

「気安く俺に触れないで下さい」

八城の顔に笑顔はなく、俺を見下すような表情だけがそこにあった。…あれか?庶民が触れるなみたいな。

「俺、あんたみたいに善人ぶってる大人が嫌いなんですよ」

ああ、そういう…。
だからあんとき胡散臭い笑顔だなって思ったのか。

「言われたことはやりますけど、それ以上は関わらないでくださいね」

「じゃあそのプリント列ごとに配っといて。あまったら教卓に置いといてくれればいいから」

八城は少し驚いた顔をした後、失礼しますと言って部屋を出た。別に関わってほしくないならしないし、強制はしない。無理に仲良くならなくてもいい。

第一俺がめんどくさい。

ああいうのには極力関わらないのが吉。それが俺の鉄則なのだ。

さて、そろそろ授業に行きますか。




♂♀




「苓君っ!コーヒーいれにきたよ!」

「あ、どうも」

昼飯の準備をしているとまた、恭祐君がやってきた。あの後授業終わってからもコーヒーをいれに来たので昼飯のときにと約束したのだ。

「…恭祐君は食べないの?」

「ん?ウィダーあるし」

「は!?」

ウィダーって…あの飲むとおにぎり一個分のヤツ?

「あ、言っとくけどお昼だけだからね」

「はあ…」

俺は弁当箱の蓋を開けてご飯をつついているとコーヒーを二つ持った恭祐君が隣に座ってくる。

「へぇ、美味しそうだね。作ってもらったの?」

「いや、自分で作りましたけど…」

「苓君料理上手いんだねー、いがーい」

じぃっ

視線を感じる。
この視線は隣の人以外有り得ないんだが…。


………。


「…少し食べます?」

「いいの!?」

ぱあぁっとまわりに花が飛ぶ幻覚と、口を開けた恭祐君が見える。俺は卵焼きを箸で摘むと口の中に入れてあげた。

「おいひぃ〜」

「どうも」

もきゅもきゅという幻聴まで聞こえてくる。幸せそうに食べている恭祐君を俺は可愛いなんて思っていない、思ってなんかない。

「もう一個!」

「じゃあタコウィンナーで」



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あきゅろす。
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