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・雑記
そうして私は姉を食べた-3





そんな生活が一ヶ月と半月過ぎた頃、姉が周りの目を盗んで私の所にやってきた。

一ヶ月半前よりもさらにぶくぶくと太った姉は、私の猿ぐつわと縄を自室から持ってきたハサミで切り、私を解放した。


「逃げなさい。今なら母様は婦人達を呼んでお茶会をしているし、使用人達も昼食の用意をしているから誰も来ないわ。」
姉は痩せ細った私の手をひいて立たせようとした。

だけど、ここから逃げてそれからどこへ行けばいいのだろう。

私がいなくなった事がバレれば、母様と使用人達は血眼になって私を探すだろう。自分のした事が誰かにバレる前に私を連れ戻し、もう二度と逃げられないようにもっと酷いことをされるかもしれない。
それなら……


私は側に落ちていたハサミを拾い上げ、姉の腹に深く突き刺した。
激痛に悶え抵抗する姉の首を、動かなくなるまで絞め、それから私は姉の肉を貪った。

満腹感を感じて食べるのをやめた頃、姉の悲鳴を聞いて使用人と母様がやっと納戸にかけつけてきた。



母様が叫び声をあげ、姉の遺体に駆け寄った。
使用人達は口の周りを血で真っ赤に濡らした私を気味悪がって化け物と呼んだ。

泣き叫ぶ母様は突然私を振り返り、「お前のせいだお前が生きてるから。お前なんか死ねお前なんか死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね!」

母様は狂ったように叫びながら、服が汚れるのも構わず私を何度も刺し続ける。

私は別に姉を憎んでいたわけじゃない。死ぬためにはこうするしかなかった。

ごめんね姉様。



私はやっと死ねる。







おわり
 

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