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麗らか
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あれから怒ってしまわれた優紀様は早足で旦那様のもとへ向かわれた。

俺もいったほうがいいのか?

一人称が私から俺に変わったのはご愛嬌である。もともと口が悪い慎太郎は優紀や主人などごく僅かな人間にしか敬語を使わない。慎太郎の口の悪さを知っている人間からすれば、こんな慎太郎は考えられないだろう。


ハーブティとティラミスを持って優紀様のところへいこう。優紀様は甘いものがお好きだからお怒りもきっと沈むだろうし。

でも怒った顔もやはり素敵だったがな。

なぜ何をしててもあんなに優紀様は可愛らしいのだろうか。執事だから贔屓目で見ているわけでは決してない。

あのフワフワしたハニーブラウンの髪もくりくりした大きなセピア色の瞳も形よく通った鼻もぽてっとした柔らかそうな真っ赤な唇もきめ細かな白い肌も、全てが優紀様の内面を写し出しているようだ・・・!!!
その上、空手・柔道・剣道などありとあらゆる武道をたしなんできた優紀様は潔く見た目に反して男前である。そんなギャップも優紀様の魅力なのだろうか?
あんなに素晴らしい方を上回る人間がこの世の存在するだろうか、いや存在しまい。



















鈴木慎太郎は有能な執事として有名であり、何をさせても完璧にこなす天才であった。見た目も申し分なく、道行く誰もが振り返ってしまう美貌で垂れ流しのフェロモンと相まって男女ともに魅了してきたのだ。

そんな完璧人間と称されるこの男が自分の主人である如月優紀に呆れるほど溺愛だと知っている者はどのくらいいるのだろうか……。





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