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逃げる。
Zクラス

部屋は荷物も多くなく纏めるのはすぐに終わり、お風呂を久しぶりにユックリ入ってベッドでグッスリ眠った。

次の日の朝には部屋移動の業者が来たために後を任せた。




寮監室に向かい新しい部屋のカードキーを貰いに行く。

コンコン
「おはようございます。」

ノックと挨拶をすれば、部屋から上半身裸で眠そうに強面のスキンヘッドがあらわれた。

寮監の硯檸檬だ。

「…おー。久しぶりだな。葵。」

「久しぶり。檸檬さん。
俺の部屋移動の話聞いてるよね?」

葵の声で、思い出した様に眉間に皺を寄せた。
はたからみればヤクザにしか見えない。

「そういや。なんで葵がリコールなんてされてんだ?」

葵はまさか聞かれるとは思っていなかったので、目をパチクリさせた。

「んーっ。なんか俺がセフレを生徒会室に連れ込んでるから他の役員が仕事が出来なくて迷惑してる。
俺は特権で授業をサボり好き放題してる。ってな感じらしいよ。」

葵が言い終われば檸檬はまさに魔王のような顔をしていた。

葵がそんな事をしているわけも無いと知っている檸檬からすれば怒り心頭のようだ。

葵は何とも思ってないようで、生徒会長の専用カードキーを檸檬に差し出した。
檸檬の魔王フェイスが更に酷くなる。

「…お前はそれで良いのかよ。」

檸檬の言葉は昨日剛士に言われた言葉とも一緒で苦笑した。

「昨日剛士にも言われた。」

葵が苦笑しながら言えば、檸檬は舌打ちをした。

「俺はさ、まぁ任されたからやるか。
ぐらいで生徒会長やってたからさ、あのお飾りの役員共は元から使えなかったし、風紀委員長には俺も剛士も迷惑してたから、俺はかなり清々したんだよ。
これで心置きなく遊ぶ時間も寝る時間も取れるし。
別に生徒会長の特権は無くても困らないからな。元より首席で授業免除の特権持ってるから。」

そう言ってニヤリと一瞬笑って普段の無表情に戻った葵を見て、それが本心だとわかった檸檬は小さく笑った。

「…そうだったな。
お前は本来…面倒くさい事嫌いだったもんな。」

檸檬の言葉に葵は頷いて、新しいカードキーと会長専用のカードキーを交換したのだった。


[*退避しろ][ちょっくら散歩#]

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