逃げる。
2
生徒会室から出ると、風紀副委員長の門真剛士がたっていた。
「お前はコレで良いのか?」
寡黙で真面目な剛士は、この三ヶ月間葵が1人で仕事をしてきていたのを知っているからこそ、今回の決定に納得がいってなかった。
だが、葵は違った。
「良いも何も、清々した。
あのお飾りの役員共は元から使えなかったし、風紀委員長の無能さには俺もお前も困らされてきただろ?
この学園では生徒会は性欲の象徴みたいなもんでウザかったしな。
俺が首席で特権あるのはかわらねぇから、書類を片付ける必要ねぇからこれからはユックリ授業サボる事が出来るから俺にとっては幸せだ。」
今までの思いと、面倒くさい事から離れて清々したと一刀両断されてしまい剛士は苦笑した。
「…立場もクラスが変わっても俺とは友達でいてくれよ。」
剛士は笑って言えば、滅多に表情を変えない葵は穏やかに笑って頷いてその場を去って行った。
去って行く葵の後ろで顔を赤くした剛士がいた。
「…不意打ち辞めろ。」
剛士の呟きは誰にも聞こえなかった。
[*退避しろ][ちょっくら散歩#]
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