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逃げる。
風紀のケジメー弥彦sideー

皇が放課後顔を出した。

どうやら役員共との決着はついた様で、後は元役員の二人が準備をして行っている様だ。

それなら風紀の証拠も早いとこ集めてやった方が良いだろう。

葵は欠伸をしながら深く聞く事も無く三年の寮になった事を受け入れた。

『イッチー先輩もヤッ君も過保護だなぁ。』

とノンビリと言うもんだから俺達が動いたなんてバレバレだ。

寮監は檸檬だぞと伝えれば喜んでいた。

ここは少し悔しい。

三年で葵の噂を信じる馬鹿はいない。
皇達元役員や俺達を鎮める事が出来つつも、誰を贔屓する事も無くありのままの存在なのをよく知っているからな。




藍と共に風紀室についた。

中では真面目な後輩が必死に後処理をしているだろう。

ノックはしないで入れば、案の定真面目な後輩と他の風紀が動き回ったり書類を整理していた。

その中心で騒ぐゴミが見えた。

どうやら皇達が生徒会室に乗り込んで、他の元役員が証拠整理しているからか、風紀室に逃げて来た様だ。

邪魔でしか無いだろう。

真面目な後輩と目が合う。
一瞬泣きそうになっていたが、立ち上がり俺と藍の前に立って深く頭を下げた。

「無様な姿を晒してすみません。」

俺は剛史の頭を撫でた。

「葵がお前と他の風紀を心配している。皇も動いた。
お前達はよく耐えた。だが、これからこの学園は一度破壊を選ぶだろう。
お前達は風紀を一度辞めろ。」

その言葉に剛史は力無く頷いた。

「生徒会、風紀以外の力を持つ組織を作る。
お前達がヤル気があるならそこで力を貸してくれ。
今はお前達は体を休めるのが先決だからな。此処はもう良い。
ゴミは残して寮に帰って飯食って寝ろ。」

これで終わりじゃ無いと告げれば剛史の瞳に強さが戻り他の風紀委員を連れて帰って行った。

ゴミ共は楽しそうに話している。

風紀委員が全て帰った事さえ気付かない。


反吐が出る。


俺は偉そうに座り汚い笑いを晒す漣の真後ろに立った。

その瞬間の役員共の青褪めた顔は笑いものだった。


[*退避しろ][ちょっくら散歩#]

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