沢山の愛を
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「何故、そんな男を!
貴方がこの学園を去る必要などありません!!」
一は副委員長を片手で殴り飛ばした。
怯える役員と転入生。
「ふっ。馬鹿な奴。
兎羽真をこの学園に連れてきたのは俺だ。馬鹿げたランキングのせいで生徒会長に任命されても、生徒の為にと頑張ってきた兎羽真を守る為だけに風紀委員長になったんだ。
誰がこんな糞学園の為に働くかよ。
お前達を守ってきたの兎羽真だ。
踏みにじりやがって。
俺と兎羽真は今日限りで退学する。
こんな腐った箱庭なんざ、お前らで好きにしたらいい。
二度と俺達の前に薄汚いツラ見せんなよ。
わかってんだろ?神崎が日本で一番でかいヤクザなのは?
兎羽真の家はウチが守っている事を忘れるな。」
そう言い残し、耳を塞ぎ見え無い様に頭を一の胸に押しつけて震える兎羽真を優しく抱き締めなおして部屋を出て行った。
一が兎羽真を抱き抱えて歩く姿に生徒達が騒いでいたが、止まる事なく迎えの車に乗り込んだ。
兎羽真を宥める様に額に頬っぺに、瞼に優しくキスをする。
落ちついた兎羽真は顔を上げて、一の首に腕を回して唇にキスをした。
一は驚いた。
兎羽真は泣きそうになりながら思いを伝えた。
「ごめん。俺はずっと一が大好きだった。お願い。
俺の側にずっと居て。離れないで。
俺を一のものにしてよ。」
涙を堪えきれないで流れた涙を一は舐めとり嬉しそうに笑った。
「謝るな。俺はずっとお前をそういう意味で愛している。
ずっと俺の中で捕らわれていろ。
お前は俺だけの兎だ。」
そう言って優しいキスを沢山降り注いだ。
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