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沢山の愛を
お帰り

目を覚ました兎羽真は一を見てニコリと微笑んだ。

「お帰り…一。」

「お帰り…兎羽真。」

元に戻った兎羽真を優しく抱き締めた一は兎羽真に聞いた。

「…これからどうしたい?」

兎羽真は辛そうに俯き今の状況を説明した。

それは副委員長が役員と手を組み兎羽真をリコールした事。そしてクラスをZクラスに落とすといった事だった。

仕事を親衛隊の皆が手伝っていたのを会長はセフレを生徒会室に連れ込んでいると根も葉もない嘘をばら撒かれて、親衛隊が噂を消す為に動き始めたが転入生の信者になっていない副委員長が噂を真実としていた為に生徒が副委員長に傾いたのだ。

そして、リコールし会長に一を押した事で全校生徒が賛成したようだ。

「俺…は、もうこの学園に居れない。
ごめんな。一。」

その時、副委員長が風紀と役員をつれて乗り込んできた。

兎羽真の親衛隊隊長が兎羽真達を背に副委員長達を通さない様に壁になる。

「どきなさい。委員長。
彼はリコールされました。貴方がこの学園の生徒会長となる事を皆が望んでいます。
そんな汚らわしい男を庇う必要は無いのですよ。」

兎羽真は一の腕の中で震えていた。
副委員長達の目が怖いと言っていたのはそうなのだろう。
兎羽真を見下し増悪の目で見ていた。

一はそっと兎羽真の額にキスをした。

「兎羽真。怯えるな。
お前の優しさもわからない学園に居る必要などない。
俺はお前が俺の側に居てくれるなら、何処にだって行こう。
この学園に残るか?」

一の問いに兎羽真は目に涙を一杯に溜めた状態で首を横に振った。

「っ。俺…っも、一と一緒に、居れるならっ。何処でも、いい。
ここ、は、嫌だぁ。」

本格的に泣き始めた兎羽真を抱き抱えて、親衛隊隊長に目線をむけた。

親衛隊隊長は頷いた。

「こいつらが兎羽真様を追いやった。
神崎様と兎羽真様はこの学園を出ていかれる。
真実を愚かな全校生徒に告げてやれ。」

親衛隊員達は泣きながら兎羽真に別れと守れなかった事に頭を下げて、真実を伝える為に走って出て行った。

副委員長は納得いかない顔をしていた。


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あきゅろす。
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