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沢山の愛を
遅かった

風紀委員長の神崎一は副委員長からの連絡を受けて家の仕事を兄に押しつけて急いで学園に戻ろうとしていた。

「糞兄貴!てめぇが仕事しねぇから俺がここに居んだろうが!!
学園が不味い状況だから、俺は戻るからな。親父に殺されたくなかったら仕事しろや!」

「えー。学園っていうか、ラビちゃんでしょぉ?
ラビちゃんのピンチなら仕方ないかぁ。キッチリお姫様を守りなよぉ。」

兄の緩い口調で喋る内容に舌打ちをして車に乗り込んだ。

副委員長からの内容はこれだ。

【転入生と信者により生徒会長、風宮兎羽真。仕事を一人でこなしていたようで体調不良で倒れました。
これ以上は無理です。】

連絡を受けた時に携帯を壊してしまった。転入生も信者も、倒れるまで放置した副委員長も、守れなかった自分も殺してしまいたかった。

車を急がせて三時間かけて学園につけば、状況がわからない今副委員長に電話した。

『…はい。』
「俺だ。」
『…携帯を壊してしまったのですか?』
「そんな事を話す為にお前に電話したと思っているのか?」
『申し訳ありません。会長は自室です。それよりも学園を』ブチッ

電話を切って兎羽真の部屋に走る。
一を見た生徒が騒ぎ出していたが関係ない。一が守りたいものは、学園では無いのだから。

金持ち学園で、自分と一緒に居てくれると言って一般の家だが頭が人一倍良かった兎羽真はテストでは常に満点で特待生としてこの学園にはいった。

外見も綺麗な兎羽真は学園の腐ったランキングで不本意ながらも一位をとってしまい生徒会長という席を任されたのだ。

誰よりも責任感のある兎羽真は、役員に一般の家でありながらと蔑まれようとも頑張ってきたのだ。

それも人気投票で兎羽真と同率一位で家柄も良い一に迷惑をかけたくないと言って、幼馴染という関係もかくしながら。


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