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皆さん静かにお願いします。
3

魅夜は思い出したように、紅の袖を引っ張った。その仕種が可愛いくて仲間達は悶える。

((((可愛いっ!!!))))

紅はニコニコと笑顔で魅夜の頭を撫でながら要件を聞いた。

「どうした?」

「俺が持ってた携帯あいつ名義だから置いて来たんだけど…。」

「それだったら、コレを使いな。
俺、もう一台持ってるし。」

すると、魅夜は立ち上がりBARのマスターの元へ行く。

「マスター。また、バイトさせてくれない?」

マスターは優しい笑顔で頷く。

「お帰り魅夜。嫌じゃなければもう一度ここを帰る場所にしてくれ。
俺はお前を息子のように思ってる。
携帯も俺が渡してやるから、学園が休みの日はココで手伝ってくれ。」

マスターの言葉に戸惑いながらも嬉しく思い。コクリと頷いた。
マスターは優しく魅夜の頭を撫でた。気持ちが良いのか目を細めてもっとと頭を擦り付ける魅夜は猫のようで可愛いくて、仲間をさらに悶えさせたのだった。

紅は少し悔しく思いながらも、本当の親子のようにお互いを大切にしている2人が元に戻れて嬉しく思っていた。

ほのぼのとしていた空間に打ち壊すように騒がしくBARの扉が開けられて三人組が入って来た。

「あー。ほんまクリスマスなのに魅夜は居ないわ、碌な女はおらんわ最低やわ!!」

「煩い陸。くだらない女共と魅夜を並べないでくれる?こっちはお前のナンパに付き合わされて最悪な気分なんだから。」

「…そうだ。腐れ下半身。」

入って来たのは、このチーム【月】の幹部にあたる三人で、一番騒がしい胡散臭い関西弁のイケメン神宮寺陸(じんぐうじりく)、見た目少女のような美少年は陸に毒を吐いた張本人である神楽来夢(かぐららいむ)。そして姿勢が良く雰囲気侍のようで寡黙ながらも陸に毒を吐いたのは神木衛(かみきまもる)である。

偶然にも三人共名字の頭に神とつく事と、何故かよく三人でつるみ尚且つ喧嘩も強い為に、周りから神トリオと呼ばれている。

そして、衛が魅夜の存在に気付いて目を見開いた。

「…魅夜?」

「衛までなんなのさ!?魅夜は腐れキングに連れて行かれたのに、幻覚でも見て…」

「なんやねん。2人揃って。
あー。ほんまに寂しいわぁ。魅夜帰ってこやんかなぁ。
今度喧嘩の時は、【ラビリンス】マジで壊滅させた…」

陸と来夢も魅夜に気付いて固まった。
キングとは龍騎の事で、お分かりだろうが、魅夜がいる【月】とは敵対しているチームが【ラビリンス】そして、その総長が龍騎なのだ。

魅夜は片手を挙げて光輝達にした様に三人組に挨拶をした。

「久々。」

「「「魅夜(だ!)(や!)」」」

そして、もう一度此処にいる経緯を話す羽目になる魅夜だった。



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