皆さん静かにお願いします。
2
四限目もそのまま真面目に受けて昼休みになった時、魅夜のクラスの扉が勢いよく開けられた。
そこには銀髪に黒メッシュが入って翡翠色の瞳を持つ皇帝改め、篝狂弥(かがりきょうや)がいた。
狂弥はガタイの良い体で席でボーッとしていた魅夜に突っ込んでいった。
「ミィ!!!」
「あー。狂ちゃんだ。」
驚く事も無く『久しぶり〜』と緩く挨拶をする魅夜に誰しもが脱力する。
そんな魅夜に嬉しそうに擦り寄る狂弥はさながらハスキー犬だ。
「ミィ。一緒に飯食いに行こう。」
狂弥の言葉にコクンと頷いて、狂弥に手を引かれて立ちあがり食堂にむかった。
食堂に向かうまで、会えなかった間のFクラスの出来事の話しを聞き相槌をうちながら食堂に向かう。
食堂に行くまでに他の生徒が魅夜を見て声を上げていても、変わらずのスルー。
狂弥と一緒に居ればさらに注目を浴びるのだが、魅夜は興味がなかった。
学園に居る時は狂弥や光輝達とご飯を食べるのが普通だったからだ。
狂弥は皇帝と恐れられて、人嫌いで笑わないのが有名だが、魅夜と居る時は終始笑顔で話すため周りからは暖かく見守られていた。
そしてこの学園の食堂は両ランキング10位内の者専用の席が二階にある。
余り騒ぎになるため落ち着いて食べれる様にと学園からの配慮らしい。
魅夜と狂弥も、もちろんそっちだ。
食堂に入った瞬間の歓声は凄いものがあった。魅夜が帰って来たと瞬く間に広がって、一度はこの目にと思った生徒が食堂に溜まっていたのだ。
あまりの混雑にさすがに魅夜は内心で眉間にシワがよるのがわかった。
愛用の笛を『ピーっ!!』と吹いて静かになったのをみて静かに生徒を誘導した。
「騒ぎすぎるな。ここは食堂だ。
飯を食べるところであって、叫んだりする様なところではない。
食事のマナーを守れ。」
魅夜の声に静かになりそれを見た魅夜は狂弥を連れて二階席にあがった。
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