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ゆるゆる
始まる

入り口で弥彦に降ろしてもらったところで、腰に腕を巻きつけられた。

愛夢が見上げれば弥彦はニヤリと笑う。愛夢は苦笑しながらも、もちろん抵抗はしない。

愛華が入り口の扉を開けた瞬間に沸き起こる悲鳴。

2人が寄り添い歩けば当たり前の様に道が開いた。

舞台上には大きな赤いソファーが用意されていて、鬼道学園の生徒会と政宗、誉、緑が揃っていた。

舞台上に上がれば、政宗がマイクを持つ。

「皆気づいているだろうが、これは文化祭の打ち上げだけでなく、鬼道弥彦と八神愛夢の婚約パーティーでもある。羽目を外しすぎない様に楽しめ。」

政宗の言葉に歓声があがる。
そして愛夢と弥彦がソファーから立ち上がる。
愛夢に腰にはずっと弥彦の腕がおかれている。
弥彦がマイクを政宗から奪う。

「お前らぁ。愛夢のこの姿を生で見るのは初めてだろうが、愛夢のここでの残りの学園生活で愛夢に触ろうものなら生きていけないと思えよぉ。」

弥彦の言葉で生徒が真っ青になる。そんな弥彦の後頭部を愛夢が叩く。
皆は茫然とするが、苦笑しながら愛夢が口を開く。

「本当に無礼でごめんねぇ。俺は残りのここでの生活を今までの様に皆と楽しんで沢山の思い出を作りたい。
俺はこの学園が大好きだし、これからも俺の好きな学園であって欲しいと思ってる。
今、少しずつ学園が良い方向へ変わりはじめていて、この流れが止まらない事を祈ります。同性で恋をしても良いと思う。
だけど、体だけの関係や強姦は虚しさや悲しさだけを残してしまうから。それで良い人もいるかもしれない…だけど、自分の心を大切にしてあげてください。
周りの人の心を大切にしてあげてください。
大切な物は地位や名声ではなく、周りにいる友人や家族、自分の関わる人だと言う事を忘れないでください。

堅苦しい挨拶はこの辺で、今日は楽しい文化祭お疲れ様でした。
どうぞ、食事にダンス、会話に楽しんで今までの準備と本番の疲れを吹き飛ばして下さい。」

愛夢が頭を下げてニコリと微笑めば歓声と雄叫びが上がり、会場には音楽が流れはじめた。

壇上のメンバーに飲み物が配われて皆で乾杯をした。



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