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ゆるゆる
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「俺と愛夢は幼少の頃から将来を誓っていた。だが、年頃になりお互いが友愛か何かわからなくなった。
わからないが、お互いが一番大切な存在なのはわかっていた。
だから、少し離れる事にしたんだ。

愛夢は名を変えてこの学園に。
俺の中ではやはり愛夢を一番愛しているのは変わらなかった。

だが、愛夢はこの学園で恋をした。

だから、俺は愛夢に伝えていた。
お前が愛しているならば応援しようとだが、その愛が終わってしまう事があれば俺は二度とお前を離す気は無いと。

俺からすれば感謝だぜ。
こんなに綺麗な奴を手放してくれた事に。一生こいつは俺のもんだ。

だから、こいつの願いで11月までこの学園に残る事を許可した。

良いか。今回のような事があれば、問答無用に愛夢は俺の元に引き取る。

11月まで精々目の保養しとけよ。」

弥彦のコメントに悲鳴があがる。

それはかっこ良いとかじゃ無く、愛夢との別れが来月とわかった事に対する悲鳴だった。

愛夢は苦笑しながら話す。

「弥彦の言い方は凄く悪くてゴメンなさい。

俺はこの学園は大好きなんだ。
だけど、弥彦との約束も守りたいんだ。

11月までにこの学園を元に戻したいんだ。そして、俺が信頼出来る人に後を引き継ぎたいと思ってます。

後一ヶ月だけど、よろしね。

この後は、ダンスパーティーに立食型の食事も楽しめる様になってます。

俺の母様から皆に正装をデザインしてもらっているので、教室の机の上に置いてある紙袋の服に着替えたら、体育館に集合してください。」

会場がざわめく。

世界トップデザイナーが全校生徒の正装をデザインして用意するなんて異例だ。

喜びの声が上がり愛夢も嬉しそうに微笑む。

「それでは、解散。」

その声で我先にと教室に帰って行く生徒を見送った。

愛夢は弥彦にお姫様抱っこされて舞台裏に向かう。

「久しぶり。弥彦。」

「あぁ。」

愛夢の声に弥彦は優しく微笑む。
鬼道学園の生徒会御一行は数年振りの弥彦の笑顔に吐き気を覚えた。

甘い!

空気が甘い!!

愛夢はフワフワの笑顔に戻っていた。

「残念だったね。俺からのサプライズになってぇ。」

悪戯っ子の顔をする愛夢に弥彦はキュンキュンだ(笑)

そっと唇にキスをしてニヤリと笑う。

「お返しだ。」

その言葉に愛夢は顔を赤くしながらプイと顔を背けた。


"お前を怒らす事が出来るのは俺だけ"

"お前は俺のもの"

"俺はお前のもの"


あの時の言葉を愛夢は思い出す。
そして甘い微笑みを弥彦に向けた。




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