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ゆるゆる
当日

慌ただしい準備を終えて、涼宮学園文化祭が始まった。

開会式が終わって愛夢と政宗、緑は午前中のコンテストや学園の見回りのチェックと忙しく動いていた。

コンテストには駿河や蘭も参加しており、グランプリには駿河がなりさも当たり前の顔をしてクインの王冠を頭に付けていた。

これで午前中の生徒会企画は終わり、午後まで三人でご飯を食べていた。

そこに自意識過剰な駿河が1人よって来る。

「こんにちはぁ。皆さん。」

その声に反応してくれるのは愛夢だけだが。

「きさちゃんコンテストおめでとぉ。」

いつものフワフワの笑顔でお祝いを言われる。妃はフンッと鼻で笑い政宗の隣に座りしなだれる。

「政宗先輩。見てくださいましたぁ?」

妃に敵意を持たれてるのはなんと無くわかっている愛夢は、静かにご飯に戻る。

政宗は腕を振り払い冷たい視線を妃にむける。

「仕事もしないような奴が俺に触れるな。自意識過剰の男など興味は無い。
消えろ。」

その言葉に妃は下唇を噛む。
だが、不敵な笑顔を浮かべながら立ち上がる。

「ふふふ。今日は鬼道学園の生徒会の方がこられるとか…政宗先輩は逃した物が大きかった事に後悔して下さい。

では。」

最後に愛夢を睨みつけて帰って行った。
緑は呆れた様にはなす。

「マジで性格不細工には困ったもんだよねぇ。
あいつ、鬼道弥彦さんが来るって知ってから涼宮を蔑ろにし始めたんだよ。
涼宮は理由がわからないから困ってるみたいだけど、何か理由があるんだろうとちゃんと一歩引いて見てるみたいだよ。」

その事に愛夢は優しく微笑んだ。

「そう。蘭君成長してるねぇ。」

その言葉に政宗は愛夢の考えに気づいた。

「涼宮は勉強の方は大丈夫なのか?」

政宗の問いに緑は強く頷いた。

「あぁ。親のコネって言ってたけど、素直な性格のお陰か飲み込みや理解が早いからクラスの授業にもついていけるほどになってる。」

その事にさらに嬉しそうにする愛夢の頭を、政宗は優しく微笑みながら撫でた。

「ミー君の中での蘭君って今はどう見える?」

その言葉に緑は少し考えて小さく頷く。

「彼奴が生徒会に入れる様になったらこの学園はきっと良い方に変わるよ。
そのぐらい良い成長をとげてる。」

その言葉に愛夢はキラキラの笑顔を浮かべた。
要と別れてから初めてその笑顔を見せたのだ。最強の笑顔を近くでくらった政宗と緑は顔を真っ赤にして顔を反らしたのだった。

周りに居た生徒は股間を抑えて鼻血を出しながらトイレに走って行った。

そんな事に気付かない愛夢は安心していた。

(良かった。弥彦に会う前に安心出来た。こんなに嬉しく思えるなんて。
蘭君はやっぱりすごいなぁ。)

午後の部が始まっても愛夢のキラキラは収まらなかった。





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あきゅろす。
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