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ゆるゆる
2

今日は他の委員会と文化祭の進行確認の会議だ。

通常は会長と書記の双子が出るのだが、双子がいない為に愛夢が書記の代わりに出席した。

余り近くで見る事の出来ない愛夢が会議に参加して委員会メンバーは興奮していた。

愛夢は終始フワフワとしている為にギスギスする事無く会議は進んで行く。

「では。体育館の使用だが、午前中にミスコンをして午後はライブとしておく。夕方からは野外ステージで今年特別に八神愛華のファッションショーが行われる。」

ガタガタ

政宗の言葉に愛夢が立ち上がる。

「…それと、打ち上げを体育館でダンスパーティーで立食型の食事会。
そして今年は鬼道学園の生徒会を招待している。
各自失礼の無い様に。」

ザワザワ

と皆が騒ぎ出す。それもそのはず。
鬼道学園は涼宮以上のスペシャリストの集まりだ。世界で闘う大財閥だらけの学園で、そこの生徒会長は世界トップの財閥の次男で有名なのだ。

「な、なんで!?」

騒ぎの中、愛夢の声が響く。

政宗が静かに話す。

「…あの方が待つ理由が無くなった以上、これ以上大人しく待てる筈も無い。愛夢に伝言だ。
ファッションショー楽しみにしていると。」

愛夢の瞳からポロッと涙が零れた。
皆は愛夢に見惚れながらも戸惑っていた。
政宗と幼馴染の誉だけは理由が解っていた。

誉はギュッと眉間にシワを寄せ鋭い睨みを政宗にむけた。
それに気づいた愛夢は誉に首を横に振る。

「ほーちゃん。俺は嫌で泣いてるんじゃないのぉ。
ただ。こんな時に甘やかそうとする政ちゃんと弥彦に怒りを感じたのぉ。」

その言葉に皆は驚いた。
何があっても怒らない愛夢が怒っているのだ。それに愛夢が出した弥彦こそ、鬼道学園生徒会長である鬼道弥彦なのだから。

誉は知っていた。
愛夢を怒らせたり甘やかす事ができる存在を。
誉が何とも言えない顔をしていれば、政宗が苦笑しながら愛夢に話す。

「もう一つ。愛夢を怒らすのも、甘やかすのも俺の特権だと。」

愛夢はその言葉に溜息をついた。

「もー。このタイミングで弥彦に母様って悪い予感しかしないよぉ。」

皆は首を傾げたが、どうやら愛夢は説明する気は無い様だ。

政宗が皆に向き直る。

「お前達が知っている様に俺はただ1人の主に仕えている。その方こそ鬼道弥彦様だ。
そして愛夢は昔から弥彦様にとって大切な人だ。くれぐれもこの話は内密にもし噂が出回れば消されると思え。」

その言葉に皆は息を呑んで頷いた。


愛夢は誉にくっついて頭を撫でてもらっていた。



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