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ゆるゆる
5

恭弥と談笑したあと別れて風紀室へと向かう。
風紀室は生徒会室と同じ特殊階にあたる渡り廊下の向かいにある。

何故か賑やかな声が聞こえる。

風紀室は通常静かなので愛夢は疑問に思いつつもノックをしてから扉を開けた。

ガチャ

「失礼しますぅ…。」

そこには、居るはずのない蘭の御一行様がいた。

(そっか、キサ君もだったか。)

要と一緒に蘭を挟んで座る美少年を見てきづいた。
誉と目が合って微笑む。

「どうしたぁ?」
「ん。書類持って来たのぉ。」

2人の声で騒いでた一行が愛夢に目を向けた。
その瞬間蘭が騒ぎ出す。

「あーー!!愛夢!!
なにしてんだよ!?俺に会いに来たのかぁ!?」

愛夢に飛びついて来て上目遣いで問いかける蘭だが、愛夢は静かに話す。

「蘭君こんにちわぁ。
俺は風紀に書類を届けに来たのぉ。離してくれるかなぁ?」

いつものフワフワの笑顔でそっと話されて蘭は赤くなりながらも素直に手を離した。
それに頭を撫でてあげて誉に向って歩いた。

「ほーちゃんコレ書類だよぉ。」

「おー。」

誉は一発で蘭を静かにさせた事に感心しながら一言返して書類に目を通し始める。

「なぁーなぁー。」
と愛夢の服を引っ張りながら呼ぶ蘭。
振り返れば、ソファーに座る御一行から凄い敵意を持った目で見られていた。中でも要の目の冷たさは愛夢の心に刺さった。

だけど、蘭を無視するのは酷すぎるのは解っている為に蘭に向き直る。

「どうしたのぉ?」

「あ、愛夢は本当に、セ、セフレとかいるのか?」

その事に困った顔をした。
だが、蘭は素直な子で落ち着かせれば相手を解ろうとするのはなんとなくさっきのやり取りで解ったので、嘘偽りの言葉はいらないと思った。

「セフレなんて居ないよぉ。
俺は好きな人としかそう言う事したく無いし、相手の気持ちを利用するような事もしたくないのぉ。」

その事に蘭は嬉しそうに笑った。

「そうだよな!愛夢も親衛隊に困った事されたら俺に言えよ!
友達だからちゃんと俺が守ってやるかな!!」

ここもちゃんと言っておこうと、今度は膝を付けて目線を蘭に合わせて話す。

「あのね。親衛隊は敵じゃ無いよぉ。
少なくとも、俺の親衛隊は俺の事を思って泣いてくれたり一緒に笑ってくれるのぉ。
それって蘭君も一緒だよね?」

それに蘭はコクッと頷く。
それにフワフワの笑顔で蘭の頭も良い子と撫でながらゆっくりと話す。

「蘭君は今制裁を受けてるって聞いたよぉ。でも、それも終わらせるから少しだけ待っててね。
それまでは1人で動いちゃダメだよ。
ほーちゃんも政ちゃんもちゃんと動いてくれるから。
親衛隊の子達を否定しないであげてね。あの子達は、守りたい人を守る為に居るのが誇りなの。
ただ、少しだけ価値観が学園の外と違って過激な所もあるけどちゃんと解ってくれるから。
蘭君も否定しすぎちゃうと、他に友達つくりにくくなっちゃうから今はちゃんと授業に出て高校生活を楽しみながらおくるんだよぉ。」

そう言うともう一度頷きながら、聞いて来た。

「でも、父さんが子供の時には遊びなさいって。」

「ふふふ。確かに高校生はまだ子供。
だけど、遊ぶだけの時は幼稚園で終わりなの。
嫌かもしれないけど、大人になる為の準備の為に勉強もしないといけないのぉ。
蘭君はお父さんやお母さんが好き?」

愛夢の問いかけに満面の笑みで答える。

「大好きだよ!!」

その言葉に愛夢も笑顔になる。

「うん。俺も大好きなんだ。
それで、母さんの仕事もたまに手伝ってるの。」

愛夢が言うと、蘭は驚いた顔をした。
だから笑顔をむける。

「俺は勉強も生徒会の仕事も大切にしてるのは、そこで学んだ事が俺のしたい事に繋がるから大切なんだ。
蘭君も勉強も遊びも大切にしながら、少しづつでも手伝ってみたら良いよ。
きっとお父さんもお母さんも喜ぶ。」

「本当!?
俺、喧嘩ばかりして母さんには凄く迷惑かけたんだ。
父さんは俺は悪く無いって言うけど、俺が悪い時もあったはずなんだ。
母さんの仕事手伝ってお返ししたい!」

「うん。なら先ずはお母さんに言われた事を叶えてあげて。
嫌な事があっても蘭君の味方はそこに沢山いるんだよ。
だから、焦らないでゆっくりと頑張って。」

その言葉に蘭は元気よく頷きソファーで待っていた御一行の元に戻った。

そこには、要以外の人から戸惑いの目があった。
要は冷たく睨みつけて来た。

愛夢は苦笑して誉に向き直った。
誉は口を半開きにして某然としていた。



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あきゅろす。
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