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小説
ミスコンにて2-2(主直)UPH21.5.23
ミスコン会場では


「白鐘さん、白鐘直斗さん、おかしいな」

司会者が舞台袖に消えて、すぐに出てきた

「えー、白鐘さんは棄権となりました」



「やっぱりか、残念だったな、完二」

「いやー、頑張ったんじゃないすか、あいつ」

「そうだな、そういや、深海の奴、何処言ったんだ?」
陽介は辺りをきょろきょろと見渡した。
「そういえば、1次審査終わってからいないっすね」

ポンと陽介は肩を叩かれて、振り向いた

「おっ、何処行ってたんだ?深海、それに、上着はどうした?ってそれどころかお前、もう投票だぞ、で、誰に入れるんだお前」

陽介は、興味津々に深海をみた。

そんな陽介を見て深海は、
「うん、直斗だろ」何を決まりきった事を聞くといった顔で言った。

陽介は驚きのあまり、ビクリと体を震わせて
「えっ、それ、ありなの!」

言った直後ごつんと陽介は頭を殴られた。

あまりの痛さに、目がチカチカした。
「お前!いてーじゃねえか!って、いねぇ!?、なんなんだあいつ」
陽介が叫んだときには、すでに相棒の姿は見えなくなっていた。



(陽介の奴、失礼な!)
深海は憤慨しながらも、自分がやらなければならない事を思い、陽介を殴ってすぐに舞台袖へと向かった。

教室にも無かったから、持ち歩いてるんじゃないかと深海は思い舞台袖へと見に来たのだ。

すると、1つの紙袋があり見慣れた直斗の帽子が見えた。

「あった、メモだけのこしてと」

深海は、紙袋をもって、直斗の待つ屋上へと急いで戻った。





その頃ミスコンの会場では、

陽介は、頭を擦りながら辺りを見渡し言った。
「あいつ、まだ戻ってこねーな、何だ、腹でも壊してるのか?もう、グランプリの発表なのに」
少ししかめっ面で頭を擦る陽介を見て、不思議そうに完二が見て
「どうしたんすか?頭、どっかぶつけたんすっか?」
「ちげーよ!深海の奴に拳固で殴られたんだよ!ひでー事するぜ、まだいてーよ」

「何か、花村先輩したんしょ」
くっくっと完二がおかしそうに言った。

「なんも、してねー!あいつが直斗に投票するつーから、ありなのか?って言っただけだ!それをあいつは、あーいて」

それを聞いた完二は、驚いたように目を見開いたと思うと、しゅんとして

「そうなんすか〜」
それきっリ黙ってしまった。




「今年のミス八高は・・・・白鐘直斗さん!ですが、白鐘さんは現在も席を外してます・・・・・・・」






屋上へ辿りついた深海はきょろきょろと辺りを見渡した。

「直斗、服取り戻してきたぞ、何処に居るんだ」

「先輩、ここです。」

給水等のある、一段高いところから毛布に包まった直斗が、深海を見下ろしていた。

深海はほらっと、紙袋を直斗に見せて

「降りてきて着替えたら」
直斗は、ぱぁっと嬉しそうな顔をして
「はい!すぐにそっち行きます!」


直斗は降りてきて、深海へと駆け寄った。

「速かったですね、先輩、ありがとうございます」

っと直斗が紙袋を受け取ろうとした時

「まだ、ダメ、直斗、なんで俺がこんなことしたか、答え判った?」

そう言って、両手を直斗の腰に回して抱き寄せた。

「ううっー、すみません、わかりません」

深海は、やっぱりっといった顔で少し寂しげに笑った。

「そうそう、直斗、ミスコングランプリおめでとう」

「ええっ!?な ななんですか!それ!またからかってるんですね!先輩!」

直斗は、上目遣いに睨むようにして言ったが、そんな表情も非常に愛しく思えて深海には効果が無かった。

「今回は、女性票の多くが直斗に入れてくれたってのもあるけど、
直斗が水着審査まで出てたら、男性票も多く入っただろうね、
だから俺は、はじめから直斗にはミスコン出て欲しくなかったんだ。
直斗に虫が付かないように、直斗を独り占めしたくてね、呆れた?」

直斗は、意外な深海の言葉に大きな瞳をまん丸にしてびっくりしていた。

(ええっ、先輩が、僕のことを独り占めって・・・
でも、先輩は誰にでも優しくて、子供っぽい僕とは違い、いつも大人で、そんな先輩が・・)

直斗が固まった状態だったので、深海は抱き寄せていた手を解き両手を直斗の肩へと置いて、直斗の顔を除きんだ。

「直斗?」

声を掛けられて、はっと我に返った直斗の目の前に、深海の顔が見えて、直斗はあたふたとして、顔を紅く染めた。

そんな直斗を見て深海は、がっくしと頭をたれて

「やっぱ、呆れたよな、心、狭いよね俺」

がっくりと垂れた頭を見て直斗は、そっと戸惑いながも、その銀灰色の頭を抱き締めて

「いえ、こんな僕を、そんな風に思ってくれて嬉しいです。」

直斗は、初めて見る深海のこんな姿がとても嬉しく思えた。

「本当に?呆れてないか?」

「呆れてません」

「良かった!」っと言って顔を上げた深海はにっこりと笑い

「そうだ、俺の我がまま聞いてくれる?」

「僕に出来ることなら」

「じゃ、さ、俺にだけ、今の水着姿見せて」

「ええっ!?でもこれ、ビ ビビキニで、は恥ずかしいんです・・・」

「頑張った俺への、ご褒美ってことでおねがい」

直斗には、初めて見る懇願する深海の姿が、まるで大型犬が行儀よくお座りをして尻尾を振ってるように見える。

(先輩ってこんなだったの?こんな風に懇願されたら断れないじゃないか)と直斗は思い。
しぶしぶ深海の要求に答えることになった。

「ちょっとだけですよ」
上目使いに深海にそう言って、直斗は、毛布を脱いで、学ラン姿になった。

ぴっちり閉めた学ランのボタンを、ひとつひとつ外そうとするが、手が震えてうまくいかない。

すると、影がさしたと思ったら、手際よく学ランのボタンを外していく深海が前に立っていた。

「せ 先輩、大丈夫ですから」

そう言ってる間に、深海は全てボタンを外し終わり

「さあ、直斗」

直斗は意を決して瞳をぎゅっと瞑ったまま学ランを脱いだ。

数秒してすぐに、ふわっと毛布が直斗に被せられて、抱き締められた。

あれっと思い直斗は瞳をそっと開けると、真っ白なワイシャツ、見上げると優しく微笑む深海がいた。

「やっぱり、水着審査出さなくて正解」

不思議そうに見る直斗から、そっと離れた深海は、紙袋を手にして、にっこりと微笑み

「さあ、着替えてみんなのところへ戻ろう」

「はい」

直斗は、やっぱり変だったのかなっと思いながらも、深海をちらりと見た、彼は嬉しそうに笑っていたので、
深海の手から、紙袋を受け取りにっこり微笑んで
ありったけ勇気を出して言った。
「今度、二人でプール行きましょうね」

不意を突かれたように、一瞬ぽかんとした深海だが、
すぐに、にっこりと満面の笑みで

「うん、二人でね」

二人で見つめ合ってお互いににっこり笑った。



直斗が着替えてる間
(はー、やべ、直斗ってスタイルいいんだ〜、
普段でも、かわいいのに、今後は益々俺、理性を高めないと・・・、見ない方が良かったか?
てか、水着審査阻止して良かった。)
一人で喜んだり、がっくりしたりしていた深海であった。









≪あとがき≫
寛容さオカン級と根性はタフガイだが、好きな子には関係なくなる感じにしてみたつもり。
落ちが無い感じになってしまい、申し訳ないです!(いつもだけど!)


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あきゅろす。
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