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小説
大晦日(主直+みんな)
特別捜査隊のみんなで大晦日を過ごすことになった。
深海は堂島親子に快気祝いで、年末年始の温泉旅行をプレゼントした。
その事を知った花村が言い出したのだ。




食べ物や飲み物は、それぞれ担当を決めて持ち寄る事にした。
但し、お菓子がほとんどなので、ご飯などはどうするか話し合った時に
女性メンバーより提案が出た。

「それなら任せて!ほら、クリスマスもすごく上手にケーキ出来たじゃん!ご飯だって食べれる物になって来てるしね、雪子」
クマは、千枝の顔を見て
(普通にまずいオムライスだったクマ)


「そうだよね、今度も材料を調べて作ったら、ちゃんと出来るはずよ」
完二は、雪子を残念そうな顔で見て
(不毛な味のオムライスがっすか)

「うん、先輩期待しててよ。直斗君も当然一緒に頑張ろう」
花村は、天を仰ぎ見て腕を組んで
(激唐で、フォアグラが、何処いったかわからんオムライスだったぞ)

りせに言われた直斗は、ぽかんとした顔をして

「ぼ僕もですか?料理なんてした事ないですから、無理ですよ!」

女性メンバー3人一声に『大丈夫、私達が教えるから!!』

男性メンバー心の声は(頼む!やめてくれ!年末最後に物体Xは欲しくない!)

3人の意気込み見て、何も言えず表情を強張らした、花村と完二とクマは、深海に目で訴えていた。

(頼む、お前の力で止めさせてくれ!)
(先輩の力で、止めて下さい!)
(センセイの力でおねげぇしますクマ)

深海に注がれた3人の目は、明らかにそう訴えてるようにしか見えない。
深海は、確かにクリスマスケーキはとろけるように美味しく出来ていたが、
年末最後の日に、あの林間学校の悪夢の物体Xは、二度と体験したくないと思い、
深海の持てる力の全て、言霊使い級の伝達力と、生き字引の知識、タフガイの根性、豪傑の勇気をフルに使い、
なんとか3人の説得に成功した。


女性メンバーの説得には成功したが、代わりに深海がご飯を作る事になってしまった。

(まぁ、いいか、物体Xよりかは、大皿系で作ったらいいか)ふうと深海は一息いれた。

花村達も、ふうっと三人肩の力を落とし、助かったと安堵していた。

深海の制服のすそを、つんつんと後ろから引っ張られたので振り返ると
直斗が小声で
「僕もお手伝いしますよ、あまりお役に立てるかは自身ありませんが」
「ありがとう、助かるよ」
周りに聞こえないように小声で話し、当日は直斗と二人で作る事になった。


大晦日当日



玄関の開く音がして花村とクマが来た。

「ういーす、あれ、直斗もう来てたのか?
おっ、ご飯出来てるじゃん!
さっすが、相棒!やっぱお前に頼んで正解だな!」

「おいしそうクマね〜、センセイはすごいクマ」

「で、ボードゲームとお菓子なんか持って来たぜ!
今日はオールナイト出来るもんな!」

玄関の開ける音がした。

「ウッス!お邪魔します!
深海先輩飲み物持って来ましたよ、取り敢えず冷蔵庫に入れときますよ」

どかどかと完二が台所に向かった、そこには直斗が居た。

「な 直斗も、来てたのか、は早いな。」
目をあちこちにして、それだけ言うと、落ち着きなく居間へとむかった。

深海と花村は、そんな完二をみて
(相変わらず完二は、直斗の前だと、挙動不振だな)

その後すぐに女性メンバーも来た。
深海が作った料理を居間へ運び

みんなそれぞれにグラスを持ったところで、花村から

「相棒から一言頼むぜ!」

「えっ、いいよ、花村が言えよ」

「しょーがね-な、では、参謀である私より、一言、」

「花村、長いのはいいから、短くね、私お腹減ったから」

「うっせいな、お前は食べ物の事しか頭ねえのか!」

「ほらほら、早く花村君」

「では、今年はこの稲羽で事件が起こり、その事件も無事、俺達自称特別捜査隊のメンバーの力で解決して、気持ちよく年の瀬を迎える事が出来ました!来年は良い年でありますように、では」

『かんぱーい!』

みんなぐいとドリンクを飲み、俺と直斗が作った料理を平らげていく


メンバーが揃う特捜隊で会議をする時以外は、直斗は何故か深海から一番離れた所にいつも居る、
深海は、そんなに離れなくてもいいのに思い、ちらほらと直斗を見ていた。

いつもの様に深海は、一番離れた所に居る直斗を見ていて、いつもと様子が違う事に気が付いた。
よく見てみると、直斗は俯いて肩が上下し、両手で、顔を覆っている。
心配になった深海は直斗の傍へ寄った。

「うっ、うっ、僕可愛くないし、料理も出来ないし、
梗さん、僕の事嫌いになったんですよね」

と、つぶやいてるのが聞こえ深海は、直斗に声を掛けた。

「直斗、何言ってるの?」

深海が声を掛けると、涙を一杯溜めた瞳で直斗は、深海を見上げた

「うっ、梗さん、僕を一人にしないで」

そう言うと直斗は、深海に抱きついて押し倒した。

いつもと様子の違う直斗の行動と言動に、深海はあっけに取られて、目をパチクリしていた。
直斗は、深海の胸に顔を埋めて、うっうっと嗚咽を漏らしていた。

深海は、しばらく何が起きたか分からずボー然としていたが、
花村が上から覗き込みにやにやしているのが見えて、はっと我に返り。
(と 取り敢えずこの状態はまずい)と深海は思い
深海は、なんとか直斗を起こし自分も起きたが、直斗は、深海の膝の上に座り、首に腕を回してぎゅと抱きついた。


それを見た花村が、悠長に
「ふーん、直斗っていつもそんなか?」

「そんな訳あるか!みんなで居るときに、こんなこと無かっただろ!」
(みんなで居るときって・・・、二人の時はそんなんだ、ふふーん、動揺してるな相棒)
ニヤニヤした花村の隣にいたクマが

「りせたん、りせたん、クマ王様ゲームのリベンジをしたいクマよ!」
「クマも!私もリベンジしたい!先輩といちゃいちゃしたい!」
「ふふ、私は女王様、みんな私の言う事は絶対よ〜、おーほほ」

「てっ、なんだ、このノリは、また場宵てか、でも家だぞ?何でだ?」
3人のやり取りと見て、花村は首を傾げた。

俺は、直斗のグラスの匂いを嗅いで
「おい、花村、これ、ノンアルコールのジュースか?」
「えっ、完二が持ってきたよな、ちょっと見してみ」

花村と千枝が開いた缶を見て、完二は冷蔵庫に残ったドリンク缶を見に行き
3人同時に

『うわっ、うそ!マジ』

その声に、深海は今の状況を察した。

「す すんません、花村先輩、俺、間違えてチューハイ買ってきちゃいました。」

「なに、どうやったら間違えるんだよ!?完二」

深海は、はぁーっと溜息をつき
(しかし、アルコールが入っても、りせ、クマ、雪子は場宵と同じでまだいいが、問題は直斗だ。
俺に、抱きついて離れてくれない、いや、俺はうれしいけど、こんな可愛い直斗を、みんなに見せるのは嫌な気もする。)

「花村、千枝、ちょっと直斗を落ち着かせるのに、2階へ上がるから、
何かあったら呼んでくれ、ちょっとの間、みんなの事頼むよ」

「おう、分かった、まあ、あの3人はほっといても、もう少ししたら寝るだろうしな、大丈夫だろ、
あっ、心配しなくても覗きになんか行かないから安心しろ」

「ばか!何考えてるんだ、直斗が落ち着いたら戻るからな!」

「うっ梗さん、やっぱり僕を置いて行くんですね、うっうっ」

直斗はまた泣いてしまい、
(花村が要らんこと言うからだ!)深海は目で訴えたが、とうの花村はにやにやしてるだけだった。

「置いていかないよ、ほら、少し上で休もう」



深海の部屋へ入り、深海は暖房をつけて、ソファに直斗を座らせようと試みたが、直斗は一向に深海から離れようとしない。
仕方なく深海は、直斗を膝の上に座らせた状態で座る事になり、直斗は、深海の肩に顔を埋めるようにして、ぎゅと抱き締めてる。
深海は、直斗の頭をやさしく撫でて、

「直斗は、なんで泣いてるの?俺は直斗の事大好きだし、一人になんてしないし、置いて行ったりしない。」

ぐずぐずと泣いていた直斗がようやく、少し腕を緩め体を少し離し顔をあげた。

瞳からは一杯涙が溢れでて、潤ませた瞳で深海を見つめて、

「うっうっ、本当ですか?
でも、僕、見た目も可愛くないし、梗さんに相応しくないんじゃないかって、
さっきも僕の傍に居なかったから、
だから、僕、本当は嫌われてるんじゃないかと思って」


(そんなに直斗が俺の事を思ってくれてるなんて嬉しい、でも、俺の事信じてくれて無いって事か、
直斗は、俺が思ってる以上に女の子としては自信がないんだな、こんなに可愛いくて、俺がどんだけ理性と根性で耐えてる事が多々ある事か)
そう深海は思い、優しく直斗に話しかけた。

「直斗が、俺の事を、そんなに思ってくれて嬉しいよ、でもね、俺が直斗を嫌ってると思われたのが少し悲しいな、こんなに直斗の事が好きなのに。」

そう言って、深海は直斗の頬に手を添えて、そっと直斗と唇を重ねて、そのまま直斗をソファーへ押し倒した。

深海は、軽く触れるキスから、少しずつ直斗の口腔へと舌を入れた。

いつもならディープキスへと移行するとビクリとするのに、直斗は、少し酔っているせいか俺のキスに抵抗なく答えていた。

しばらくすると、キスに答えなくなった直斗を見てみると、くーくーと静かに寝息を立てて眠っていた。

可愛くほっとした様に眠る直斗に深海は、彼女の耳元で囁いた。

「直斗安心してお休み、俺には直斗が一番大好きで、大事にしたくて離れたくない女の子だよ、それだけは信じてほしいな」

そっと直斗の髪を撫でて、額にキスをして、寒くないように毛布を掛けてそっと出た。



1階では、前回同様に3人共眠っていた。

降りて来た深海を見つけた、花村が
「もー、大変だったぞ!3人寝るまで、りせなんかお前が居ないから探しに行くと言って危うく2階へ行きそうになるし、
クマはクマで変な踊りしだすし、そういや、直斗は?」

「あー、直斗も今寝たところ、まあ、初詣に行く頃にはみんな素面になるだろう、
まあ、気付いたのが早くてよかったよ、みんな1缶しか飲んでなくて、千枝はなんともないんだな?」

「えっ、ああ、私はうん、スポーツドリンク飲んでたからね〜、助かったよ」

完二が申し訳なさそうに、深海に頭を下げて
「先輩すんません、来るときに慌てて入れちまったもんで」

深海は、軽く完二に肩を叩き
「もう、いいよ」と微笑んだ。

酔っ払い3人に解放された花村が
「じゃ、4人で楽しもうぜ!なんかゲームでもするか?」
4人で人生ゲームを始めた。

元旦になった頃、酔っていたみんなが起きだし初詣へと出かけた。

神社へ行く道のりで

酔い潰れた面々はそれぞれ、「もっと遊びたかったのに、なんで寝たんだろう」と?マークを出しながら話していた。

直斗は、腕を組んで首をかしげながら、深海に聞いた。

「あの先輩、僕なんで2階で寝てたんでしょう?それとさっきから花村先輩が、僕を見てにやにやしてる気がするんですが?」

「うっ、あいつはいつもああだろ、気にするなよ、
直斗、乾杯した後、すぐ寝ちゃったんだよ、きっと俺の料理手伝ってさ、疲れてたんだよ、だから俺が2階で休ませたんだ」

「そうなんですか?でも、巽君が僕を見て顔赤くしてる気がするんですが?」
完二は、ちらちらと深海と直斗を交互に見ながら顔を紅くしていた。
「あいつは、さっき走ってきたからな、気のせいじゃないか」

深海は、一生懸命ごまかすのであった。

(直斗が、みんなの居る前で、俺に抱きつたなんて、直斗が知ったら、どうなることか)
隣を歩く、直斗を見て、深海は(でも、可愛かったな)と思うのであった。






≪あとがき≫
ただ書いてみたかった、ほんとに思いつくまま、きままで
申し訳ないです。ヤマもオチもなくて・・・
でも、ゲームでも大晦日とか、バレンタインとか、イベント欲しい気がしませんでしたか?自分は欲しい気がちょこっとしたんですが・・・。

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