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小説
風の守り(3)H22.1.19UP
朝、鳥の囀りで目を覚ました。

「ふぁ、よく寝た。」
大きく背伸びをして、ベットから立ち上がり
直斗は、服に着替えて朝食を取る為に台所に行った。

すると、テーブルの上にはファイルとメモが置いてあった。

“サラダは冷蔵庫に、スープは温めて、”

「ええっ!?」

あわてて冷蔵庫を開けると、確かにそれぞれがあり。

「ここまで、心配されるなんて、本当にちゃんとしないと・・・」

直斗は、うれしいやら、情けないやら、なんとも言えない気持ちだったが、小太郎の用意してくれた食事をありがたく頂く事にした。

朝食をとり終わり。
改めて、ファイルに目を通す。


(旅館の娘は、天城雪子、
発見者の、里中千枝は普通のサラリーマンの家庭
花村陽介はジュネスの店長の息子、
そして、最近ここ稲羽に引っ越してきた深海梗は、稲羽警察の堂島刑事の甥、写真はを見ると微かに見たような気がする。どこで?)

直斗は、うーんとウデ組み考えていた。

「あっ、鮫川にいた・・そうか」

資料を再度見る、気になるところが、彼、深海梗が越してきてすぐに、山野真由美が失踪して事件が始まっている。
「ただの偶然か?」
直斗はじっと写真を見た。


そして別の資料に目を通す。
最近TVに出たとされるのは、巽完二、暴走族のTV取材で取られたようだ。

人相は強面だが、直斗は特に気にせず。

「接触してみるか、もしかしたら、巽完二が次に狙われるかもしれない。」

一通りファイルに目を通したら、もうお昼になっていた。

これ以上は、小太郎に迷惑を掛けたくないと直斗は思い。

レトルトではあるが、ちゃんと昼食を取る事にした。


昼食を食べ終えて、午後から捜査会議があるので警察署へと出かけた。


今日は生憎の雨、傘をさしながら歩いて向かう中ふっと小太郎の事を思った。

(それにしても、本当に姿が見えないな小太郎兄さん、そういえば、昨日初めて長いこと姿を見たし、声も聞いた。
でも、いつ呼んでもすぐに現れると言っていたし・・、確かにあられたけど)

きょろきょろと辺りや屋根や見渡すが、小太郎の姿は見えず。

(本当にどこにいるんだろう?)

そんなことを考えてる間に警察署へついた。


警察署へはいるとすぐに、若い刑事が声を掛けてきた。

「やあ、白鐘君、時間通りだね、もうすぐ捜査会議始まるよ、」

「足立さん、こんにちは、」

軽く会釈をして傘立てに傘を置いて、足立刑事の後に付いていった。


会議室へ向かう間も足立刑事は、ぺちゃくちゃとしゃべり

「どうだい、なにかわかりそうかな〜。」

「・・・」

「こっちは、全然とどのつまりっての。」
「・・・」

「あっ、ついたね、ここの部屋だよ」
そう言って足立刑事がドアを開けて

「白鐘探偵をお連れしました。」

直斗を先に部屋へ通した。

「おお、足立ご苦労、
ご足労お掛けします。白鐘探偵今日も宜しくお願いします。」

警察署長が席へと直斗を誘導した。


「ええ〜、今から、捜査会議を始める!」





午後はみっちり会議をして、その後直斗は警察の資料室へと足を運んだ。

資料室で調べ物をしていたら、気が付けばもう夜の8時を回っていた。

探偵といえども、一般人を資料室に入れてるので、見張りの警察官も直斗に付き合ってその部屋にいた。

その警官は、直斗が壁掛け時計と見ると同じタイミングでふぁっと欠伸をした。

それを見た直斗は
「ありがとうございます。今日はもう帰ります。遅くまですみませんでした。」
そう言うと警官が

「いえいえ、とんでもありません。自分の仕事ですから。」
そう言うが、顔はなんとなく直斗から開放されて安心した顔だった。


警察署からの帰り道に、巽完二に家も下見してから帰ることにした。



家に着くなりベットに直斗は倒れ込んだ。

今日は疲れた。一日少ない情報の中で頭をフルに使った。
いつもの事だが、今回はいつもより力が入っている。

(明日、巽完二にあってみよう・・・なにか分かるかもしれないし・・・)

そんなことを考えながら直斗はすーっとそのまま眠ってしまった。


直斗の小さな肩が静かに上下している。


しばらくしてふっと風が凪いだ。

小太郎が静かに現れて、直斗に布団をきっちりと被せて、そっと直斗の頭を撫でると、音もなく消えた。












<あとがき>
ようやく、ちょこっと進めた、しかし・・・目当ての小太郎さんが、出てない!もっと小太郎さん出せるように頑張りたいっす。



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あきゅろす。
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