王子様!?
「だ、大丈夫ですか!?」
あまりの痛みに顔を歪める。目尻には涙が流れていく。
「しっかりしてください!!」
「も…、ダメ……」
私の目に写るのは足から流れ落ちる赤い液体…
赤い、液体……?
──って!血だぁ!!!!
「ち、ちち…血ぃ!!」
蒼白して顔を左右に振る。こんな鮮明な血を見たのは小さい頃に自転車から落ちて以来だ。
「暴れないでくださいね」
「へ?」
突然、私の体が宙に浮きまるで映画のワンシーンのような光景が広がった。
「な、なにっ!?」
「歩けないでしょう?」
だからって…お姫様だっこしなくても!
「悠くん…」
「大丈夫です」
そういって見せた笑顔は、まさしく王子様のようで本気で鼻血が吹き出そうになった。
「め、目眩が…」
「救急車呼びますか!?」
「…だ、大丈夫っ!」
悠くんがカッコよすぎて目眩がしたなんて、とてもじゃないけど言えない…。
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