抜け殻王子
「まるで抜け殻みたい…あんたと会った後からよ」
鋭い目を向けられる。
「う…」
もしや、私がひどい態度をとったから?
やっぱチヤホヤされ慣れてる王子には突き放されるのは堪えるのかな…。
「お兄ちゃんに…」
「え?」
「……なんでもない」
何か言いたげな凛ちゃん。
そんな彼女を見ながら私は首をかしげる。
「ずっと…私が守ってきたんだから。女たちからお兄ちゃんの笑顔を」
「凛ちゃ…」
「私のお兄ちゃんにあんたなんか釣り合わないんだから!!」
逸らすように目をカフェオレに移し、凛ちゃんはグビグビと一気に飲み干した。
「帰るっ!」
カップを置く音と同時に凛ちゃんは素早く立ち上がった。
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