スッポン
「ちょ、こっち見てない?」
熱すぎる視線に気付いたのか、こちらを向きニッコリと天使のような微笑みを浮かべている。
わあ…輝いてるよ。
「果たしてあの裏側には何があるのか…」
「明里は無事に生還することができるのかっ!」
「スッポンは小悪魔に勝てるのか!!」
コソコソと言ってるつもりだろうが、丸聞こえ。
ていうか…
「スッポンて…」
「あ、ごめん。オヤジ系は小悪魔系に勝てるのか!!の方がよかったね」
いやいやいや!どっちもどっちですから!!
と、突っ込もうと息を思いっきり吸った瞬間──
「偶然ですね」
鈴の音のような声。可愛らしい笑顔。
「そ、そのようで…」
いつのまにか信号は青で、目の前には凛ちゃんが立っていた。
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