置き去りな子供たち
目の前に現れたのは──
「遅れてごめんなさいね! この子ったら準備が遅くって!!」
恐らく母親であろう活気のありそうなおばさんと
「……すみません」
漫画から出てきたのか?ってほどの気弱な美少年。
やばいよ、背景に薔薇が見える。キラキラしてるよ。
「は、初めまして…」
なんか緊張してきた。
「あらぁ!悠くん、相変わらずカッコイイわねぇ!!」
「や…そんなことないです」
食いつくように話すお母さんに対し、悠と呼ばれた美少年は控え目に答えた。
照れ屋というか無口?
「じゃぁ、あとは若いお二人で話でもしなさい!」
「そうね!じゃぁ、私たちは買い物にでも行きましょう」
母親二人は、ケラケラと笑いながら勝手に話を進めて喫茶店から出ていった。
おいおいおいおい、初対面の娘息子を残して自分等は買い物行っちゃうんかい!!
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