[携帯モード] [URL送信]
熱湯かぬるま湯か


それから少しして雷の音は聞こえなくなった。

「も、平気?」

私は悠くんの顔を覗き込んだ。

「はい!ありがとうございました」

悠くんは先程の強張った表情とは違い、ふんわりとした柔らかい笑顔を浮かべていた。

「……わ、私飲み物ついでくるね!」

やばいやばい、つい見惚れてしまった。

「あ、俺も手つ…」

「悠くんは、ソファにでも座ってて!」

私は赤く染まる顔を隠すように小走りでキッチンへ向かった。

ティーカップ2つと紅茶の葉が入っている缶を戸棚から出す。

「えーっと…」

紅茶は、お湯でいいのか?ん?熱湯、ぬるま湯どっちだ?

──悩んだ末、紅茶の缶と睨めっこ。

その結果、美味しい作り方というところに目がいった。

「あ、なんだぁ!熱湯を注ぐって書いてあんじゃーん!」

私は独り言を言いながら、紅茶の缶に向かって軽くデコピンをし、ポットに紅茶の葉をいれて熱湯を注いだ。





[*前へ][次へ#]
[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!