怪しい仮装
リビングに置いてある全身鏡を見て、私は目が点になった。
「…この格好は何?」
「だーかーらぁ、仮装よ仮装!」
お母さんか楽しげに言った。
「いやいや、意味が分からないから!!」
只今、私は何故だか尖った黒い帽子を被り、黒いフリルの付いたワンピースという格好をさせられている。
「今すぐ脱ぐから」
私がワンピースの袖から片腕を抜こうとした瞬間──
「ダメよ!脱いだら小遣いナシ!!」
勝ち誇ったようなお母さんの言葉に私は動きを止めた。
「…く…っ」
くそう!卑怯者めが!!
そもそも何故、私が抵抗する間もなくこんな格好をさせられたかというと…
昼寝してたところ、突然叩き起こされて寝ぼけたまま服を着させられたのだ。
この母親…油断も隙もありゃしない!
てゆうか、なんなんだ?この謎の帽子は…
私は何かを連想させるような黒い尖った帽子を見て、ため息を吐いた。
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