俯きがちな美少年
映画も無事に終わり、静かな公園のベンチで一休みすることにした。
「はい」
私は買ってきたお茶を美少年に渡した。
「す、すみません…」
そう言って少し俯く美少年は、なんだか顔色が悪い。
無理させすぎたかな。
「大丈夫?」
美少年の隣に座り、俯いている顔を覗き見る。
「…平気ですよ」
顔を上げた彼は必死に笑顔を作っているように見える。
よっぽど、館内が怖かったんだな。
「…ごめんね。私が映画観に行こうなんて言ったから」
まさか映画館が怖いとは思いもしなかった。
「いや、俺がちゃんと言わなかったんで……あ、明里さん目を閉じてください」
突然真剣な表情。
今、なんて?
目を閉じてください?
目を閉じるイコール
キキキキキ…キッス!?
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