天然ピュアシャイボーイ
映画館に着き、周りを見渡すと…
カップルばかりだった。
果たして偽物の私たちは紛れても良いものなのだろうか。
「き、君を愛す…のチケット二枚下さい」
でもまぁ、仮にもデートのため恋愛ものを観ることにした。
「タイトルが恥ずかしいですね…」
顔を真っ赤にして美少年は照れ笑いをした。
ピュアボーイはシャイでもあるのか。
──…
指定された席に座ると、右隣には美少年。
映画館って…こんなに近いものだったのか。
あ…そういえば、アイプチとれてないかな?
なんかいつも心配になるんだよね。
「目…、痛いんですか?」
目を触っている私を心配そうに見てくる。
「いや、その…」
アイプチがとれそうじゃないか心配なんです!!
って言えねー!!
「目薬買ってきましょうか?」
「へ、平気!」
「…そうですか」
目薬ってあんた…
普通わざわざ映画館出て買いに行きませんよ!!
まさかとは思ってたけど…
「天然?」
「はい?なんですか?」
「…なんでもないです」
天然ピュアシャイボーイだったのか…。
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