叩き起こし
──翌朝。
「明里ー!!早く起きなさあぁぁい!!」
耳の奥にキーンと響くお母さんの金切り声に、思わず耳を塞ぐ。
「…うっさ」
すると、銀色の布団叩きを光らせたお母さんが部屋に入ってきた。
こ、怖!!
てゆうか、今何時さ。
枕元に置いてあるケータイを開くと…
「まだ7時じゃん!!」
「何言ってるの!!女はお洒落に時間をかけるものよ!」
「じゃ…女やめる。おやすみ」
そう言って、再び布団に潜った瞬間──
「…いった!!」
お母さんは、布団叩きで布団越しに私を叩いてきた。
「馬鹿なことしてないで、早く起きなさい!!」
このドメスティック!!
「…はぁ。用意すればいいんでしょ!」
吐き捨てるように言い放つと、渋々布団から出てリビングへ向う。
デートかぁ。
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