形だけの関係
美少年も色々と大変なんだなぁ。
「頑張って生き延びてください」
鬼に喰われぬように…。
「はい。だから、俺と付き合ってください」
「鬼退治しろと?」
「そういうわけじゃ…」
困ったように美少年が眉を下げる。
「ウソウソ。私も親がうるさいし、いいよ」
これが破談になったら、お母さんに何されるか…
「本当ですか!?」
美少年が身を乗り出して輝いた瞳を向けてくる。
「でも…仮のカップルってことで、よろしく」
「仮のカップル…?」
不思議そうに首を傾げる美少年を真似て、私も少し首を傾ける。
「つまりは好きって感情のない、形だけのカップル。お互いにその方が楽じゃない?」
だって、メールやら電話やら面倒くさいし。
定期的に会うのも、かなーり面倒くさい。
「…そうですね。じゃ、これから仮のカップルよろしくお願いします!!」
「よろしくね」
うっしゃ!!これで、母の魔の手から逃れられる!テレビも漫画も好きに見放題っ!!
こうして、奇妙な仮のカップル関係が始まったのであった。
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