そして歯車は狂いだす。
「そういえば学園の説明は受けたのか?」
「担任に一通り教えてもらったー」
「生徒会の事も?」
「それはまだだよ」
「楓。説明してやれよ」
面倒くさいなー
だが和緋と生徒会の奴等が接触すると少しマズイな。
なんせあいつ等は…
「しょうがねえな…生徒会は全部で5人いる。会計・書記・副会長・そして会長だ。主に書類の整理や学園の管理をやっていて、生徒会はその辺の教師より立場は上なんだよ」
「生徒なのに?」
「ただの生徒ではない」
「そう。悠が言った通り、生徒会の奴等は外の世界でも有名な家の生まれという訳だ。多くの生徒は奴等を敬愛…いや崇拝に近いな。家柄・容姿、共に上級」
「…すげぇな……」
「まぁお前等なら近付いても大丈夫だが…俺が近付いてしまったら俺はイジメの標的だからな」
「その前に近付かせないがな」
いや近付きたくもないけどさ。
というか別の意味で近付いたらバレる確率が高いんだよ…
キャァァァアアアア!!!
「なんだ!?」
突然、食堂内に耳を塞ぎたくなるような歓声が上がってきた。
ああ、マズイな…
「生徒会が来たんだよ」
「それでこんな声が出んの!?女子高生かあいつ等!」
気持ちは分かる。
どっからこんな高い声を出しているかと問いたいぐらいだもんな。
いやいやそんな事を言っている場合じゃない。
和緋がこの学園に来たという事は十中八九あいつらは…
「おい、」
「…ああ」
「楓…悠…なんか、こっちに来てない…?」
「へ?」
歓声がこっちに近付いてくる。
それはつまり、生徒会の奴等がこっちに来ているという事だ。
やっぱり…
「ハッ…まさかまじでこんな所で会うなんてなあ?……『黒の悪魔』」
「…っ!『金狼』…だと?」
今日の俺の運勢は最低最悪だ。
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