だから嫌だったんだ。
「…よろしく…」
「なんだぁ?テンション低いなー名前なんつーの?」
「…北条…楓」
「楓?良い名前だな!よろしくな楓!俺の事は和緋って呼んでくれ!」
「…分かった」
バレてない…
そういえばこいつ馬鹿だったな。
「………楓。ここ何?俺の視力がおかしいのかな?2.0ある筈なんだけど」
「…落ち着け。ここに関しては……諦めろ」
一々驚いていたらキリが無いんだ。
本当に無駄金遣い学園という名が相応しい。
「いや裏門もすごかったけどさ…ここ、本気で学校な訳?なんか生気が吸い取られそうなんだけど?」
「大丈夫だ。ここはアズカバンでも無ければ吸魂鬼も居ない」
「そうか…一々驚いていたらキリがないんだな…ここは豚小屋、ここは豚小屋……」
「……………」
その気持ちは分からんでも無い。
えーと…とりあえずこいつを
担任に引き渡すか。
「行くぞ」
「おうよ!もう大丈夫だぜ」
「そうか。…まずここが玄関的な所だ」
「うわっ!すげぇピカピカ!なんで玄関に銅像があんだよ!」
「…………」
全然大丈夫じゃねえだろ。
結局その後も一々煩い和緋を職員室まで連れてきた。
担任の所まで連れてけば十分だよな。
あいつは気に食わないが…
ガラッ
「失礼しま「ぁあっ!…ゃ、あっあっ!」…した」
ピシャッ!
「…楓?」
「…少し待ってろ。今クソバカ担任が交尾しているから」
「えええええええええ…」
まあ普通はそんな反応するだろうな…
あーめんどくさい。
つうか職員室で盛るなよ。
「相手どんな子だった!?俺もヤりたいなー」
「……相手、男だぞ?」
「知ってるよ?」
待て待て待て待て待て待て待て待て待て。
お前そっちの人間だったのか?
あの頃は普通だったよな?
しばらく見ない間に何が起こったんだお前に。
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