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REBORN 長編
勘違い

ツナが遠慮がちに大浴場と更衣室を隔てる引き戸を引いて顔を出してきた。


「わっ…!!あっ…あのさ、ここは男湯なんだけど…」


「………は?」



ツナは一瞬何を言われたか理解できなかった。


「だから、あんた女湯と間違えてるんだって…」


(俺男なんですけどーー!!!!!)

ツナはそう叫びたかったがショックで声が出なかった。

(…昔からよく間違えられてきたけど風呂場で間違えられた事は無いのに……)



「?」


「あの…俺男なんですけど……」

ツナはなんとか声を絞り出して薄っぺらい胸を指さした。


「あ…ホントだ……」


リョーマはその胸を見て納得したようだった。

(天然かなこの人…??)



「なんか…悪かったっスね。」

(こんな男も居るんだ…)


「いえ。よく間違えられるから…」


素直に謝罪をするリョーマにツナは少しだけ好感を持った。そして2人は揃って湯舟に浸かった。



「君は……」

「リョーマ。」


ツナの聞こうとした事が分かったのか、一言そう言った。


「リョーマ…カッコイイ名前!!リョーマ君はなんでここに来たの??」

「…テニス部の合宿。」

「へぇ〜テニスやってるんだぁ。」


ぶっきらぼうだけどちゃんと質問に答えてくれるリョーマを見てツナは少し笑った。

(リョーマ君って可愛いかも…??)


「…何。」

「いやっ何でもないよ!!!」

「アンタの名前は…??」

「あっ俺綱吉!!」


リョーマに聞かれてツナはハッキリと答えるとさっきまで入口の方を見ていたリョーマがツナを見た。


「綱吉…?」

「へ?うん。…やっぱ変…だよね。」

(俺なんかに合わないよなぁ…)


リョーマがその名前を訝しげに繰り返すとツナは頬をポリポリかきながら言った。



「別に。カッコイイじゃん。あんたに合ってるよ。」


「………あ、ありがと…!!!」

(初めてそんな風に言われた…)



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あきゅろす。
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