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一大イベント。




「第1回ドキッ!男だらけで肝試し宝探し大会ー!!ドンドンパフパフ〜」

「き、…」

「肝試し宝探し…?」


なっ…!
何だとぉおおお!!??

ま、まさかここでその一大イベントを使うのか…!?
やっべぇ心臓バクバクいってきた!
タイトルに『ドキッ』がついてる理由が分かったよ。


飯島…なんて恐ろしい子…!


「どうしよう武…俺興奮してきた」

「……………その台詞、俺以外の奴に言うなよ。あとその顔もやめなさい」

「む、ヨダレ垂れそうだったか?あぶねぇあぶねぇ」

「…………(俺以外が見たら理性持たねぇからだバカアホ)」


武がはぁ、と小さくため息をついた。

そんなに成川くんとチームになれなかったのが残念なんだな…
俺も残念だよとっても。

成川くんが会長とチームになったのまでは良かったが、よりによってもう一人があの変態(小島)とは…

小島爆発しろ。


「どうせなら雫となりたかったなぁ…」

「悪かったっスね。成川じゃなくて」

「ふふ、本当に君は生意気だね」


はーい副会長×武のフラグが立ちました!

そんなに睨むなよ武くん。

俺から見れば君達はケンカップルだ。
あ、あと璃人さんたちもだな。
いいよいいよケンカップル!
仲が悪い二人ほどくっつくとそこに萌えが生じるんだよ。

だが俺はケンカップルより総受けが好きなんだよなー…

早く成川くんを奪い合えよコラ。


「よーし!じゃあルール説明な。この森の中に宝を隠した。今から配る紙にそれのヒントがあるからチームで協力して探せ」

「宝?」

「そりゃあ見つけてからのお楽しみだ。あと各チームに一つずつ懐中電灯を渡す。ここは夜になると真っっっ暗になるからな」


にやり、と飯島が笑うとほとんどの生徒が顔色を青くした。
なるほど、それで肝試しね…


「あ、それと昨日降った雨で崩れやすい所もあるらしいから気をつけろよ。立入禁止の場所には絶対に入るんじゃねぇぞ」


飯島の話を聞きながら回ってきた紙を手に取る。
両側から璃人さんと須藤さんが覗いてきた。






『1109091815091421141514151109141519092001』




「「………は…?」」

「…………」


紙に書かれた数字の羅列を見て、俺と璃人さんが間抜けな声を出した。

何だコレ。
まさかこの数字がヒントなのか?

ちらり、と周りを見渡すと難しい顔をしながら紙をガン見していた。
良かった、意味不明なヒントは俺たちだけじゃないんだな。


「よーし!行ってこーい!」


何がそんなに楽しいのか、飯島はやけにイキイキとしていた。

飯島コノヤロウ…いつかお前の歯ブラシに練りワサビつけてやる。

























「いやーそれにしてもおばけ役もいない肝試しなんてつまんないよねー」

「子供じゃあるまいし…肝試しなんてなぁ…」


真っっっ暗い森の中、須藤さんと璃人さんがブツブツと文句を言っている。

まぁ確かに、おばけ役がいてこその肝試しとは思うが…


「…………………そう思うなら俺の裾を掴むのやめてくれませんか二人とも」

「「!!」」

「いやいや、何本気で傷ついた顔してんですか。なんか俺が悪いみたいじゃないすか」


森に入った時から俺のシャツは両側から思い切り掴まれ、既にビロンビロンになっていた。

どうすんだよコレ。
シャツ涙目だよ。


「べ、別に怖いとかじゃないからね椿くん?」

「じゃあ離せ」

「ちょっ…鬼ぃ!」


普段ならこういうツンデレ大歓迎だが俺相手では意味がないのでノット萌えとする。

全く…どうせなら璃人さんにくっつけばいいのに。


「つ、椿くん…」

「……………」


くっ…そんな子犬のような目で俺を見ないで下さい璃人さん!
怖いなら須藤さんと思う存分抱き合ってくれ!


「ほげぁああぁああ!!今なんか動いたー!!!」

「ぶはっ…!」


璃人さんの子犬作戦にたじろいでいると、横から須藤さんが半泣きでタックルしてきた。

勢いのまま倒れ込み、そのまま地面に衝突。

須藤さん…爆発しろ。


















「見事な巴投げだったよ椿くん」

「璃人さんこそ、迫力満点のバックドロップでした」

「………最強のDVドSコンビが誕生しちゃった…」


大分怖さが解れたのか、もう俺の裾を掴むことはせずに歩き出した。

俺たちの半歩後ろを歩く須藤さんが何やらぶつくさ言っているが、あまり気にしないことにしよう。


「それより、この暗号です。日本語で書いて欲しいですよね」

「椿ちゃん、それ暗号の意味無くなっちゃうからね」

「先生の打ち間違えじゃないか?」

「ンな訳ないでしょーが。これはこの数字をアルファベットに置き換えるんだよ」


近場の岩に座り、紙に懐中電灯を照らしながら唸る俺と璃人さんの目の前に須藤さんが立ち、覗き込む。

……何だって?
アルファベット…?

同時に璃人さんと顔を合わせ、もう一度須藤さんを見上げる。


「この暗号はね、26文字あるアルファベットをそれぞれ01〜26に置き換えて作られてるわけよ」

「な、なるほど…」

「ほぇー…」

「「………で?」」


俺と璃人さんが本気で感心したように呟き、声を揃えて首を傾げた。

それに苦笑しながら紙を受け取り、ペンを取り出すと、何かを書き始める。


「11がK、09がI、18がR……ってな風に置き換えていくと――…」


すらすらと書き出される文字を、後ろから覗き込む。


「KII、ROI、NU…NONO、KINOSITA……」

「――"黄色い布の木の下"…」


え、すげぇこの人!
まさかの頭脳派!
見た目は変態タラシ頭脳は大人じゃないか!


「その頭脳をもっと他に活かせばいいものを…」

「でもホントすごいですよ。人間、どんな変態タラシ野郎にも取り柄ってあるんですね」

「あっれーおかしいな…褒められてるのに涙が出て来ちゃった」


よし、さっさと見つけて成川くん達の様子(イチャイチャぶり)を見に行かないと。


こんな一大(萌え)イベント、見逃したら男(腐男子)が廃る!






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