[携帯モード] [URL送信]
温泉。




あのすぐ後に成川くんを追いかけてきた会長と副会長が合流し、何故か6人で昼飯を食べることになった。

俺的に成川くん争奪戦が見れて嬉しいが…周りの視線がハンパない。
動物園の動物になった気分だ。


「おい雫。その細長い芋よこせ」

「やだし!頼めば良いだろ!」

「このタレにこれを付けて食べるのですか?」


ちなみに昼飯は成川くんの希望でお馴染みのハンバーガー店になった。
育ちの良い生徒会は来たことあるのだろうか、とか思っていたが案の定全く知らないらしい。

会長、それはポテトという名前があります。
そして"あーん"してあげなよ成川くん。


それに比べ、璃人さんは手慣れた様子で食を進めている。



「璃人さんは来たことあるんですね」

「まぁね」

「なんか親近感わきますね、二階堂先輩って」

「そうか?」


お?
これは武×璃人さんフラグか?

年下×年上萌え!


「それで、この後はどうする?椿くん」

「え、俺ですか?…うーん……ゆっくりしたいですね」

「言うと思った」

「確かに」


俺がそう言うと武と璃人さんが揃って苦笑した。
何この2人?
すでにデキてんの?

つーか俺ってそんなに分かりやすいのだろうか…


「じゃあ3人で温泉にでも入るか?今の時間じゃ空いてるだろうし」

「「温泉…」」


璃人さんの提案に俺と武が顔を見合わせる。


「「行く」」

「……(小動物…)」


そして同時に目を輝かせた。

温泉大好きですもの。
これで武と璃人さんのイチャラブが見れたらもう言うこと無しだい!


















「すっげーすっげーすっっっげぇええ!!!!」


うん。
やっぱりこうなるよね。

好奇心旺盛な成川くんが温泉に行こうとする俺たちを黙って見届ける訳ないか。

と、いう訳で再び6人で温泉へやってきました。
まだ昼が過ぎてあまり時間が経っていないし、運が良ければ人はいないかな?とか思っていると、本当に誰もいなかった。


「成川うるさい」

「だってマジすげぇんだって!!うっわー!!!すげー!!!」


無駄に広い脱衣所を抜け、温泉場への扉を開けるとそこにはたくさんの温泉が広がっていた。

どうやら色んな種類の温泉があるみたいだ。
奥の扉の向こうには露天風呂まで用意されている。

確かに、これはすごい。


「ちょっと?雫に何てこと言うんだい」

「ホントの事ですから」

「あ!俺アレ入ろーっと!」

「おい。先に入るんじゃねぇよ雫」


副会長と睨み合う武。
無邪気に走り回る成川くん。
その成川くんにちょっかいを出す会長。

これだよこれ!
もっと絡み合えお前ら!
存分に裸の付き合いをしろてめぇら!
もちろん違う意味だけどな!


「…椿くん?」

「むをっ!?あ…何?璃人さん」

「いや…なんかボーッとしてるから」


やべ、奴らを観察してるところ見られたのか。
良かった、ニヤケてなくて。

…急に声かけられたから変な声出たけど。


「すごい所だな、って思って…」

「ぁあ…本当にな。こんな所で新歓なんてする学校ってまず無いよな…さすが…っ」

「?」

「……金持ち学校だな」

「…そうですね」


何だ?
今なんか妙な引っ掛かりが…


「椿!あそこ面白そう!!入ってみようぜ!!」

「いっ!?ちょっ…待っ…!!」





ザバーン!!!


※良い子も悪い子も、温泉に飛び込んではいけません。





成川くん。
俺に恨みでもあるのか…?






[*前へ][次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!