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「ここが正面玄関だ。玄関入って右の階段を上がると各教室がある。んで、左の階段を上がると職員室とか生徒会室があるんだ」
「無駄金だなー」
俺は今、猛烈に感動している。
「おーい…」
小説や漫画で描かれている超お金持ち学園が今俺の前に広がっているんだ。
こんなに感激することは他にないだろう。
「東雲くーん?聞いてるー?」
やっぱりここに入って良かった…
本当に良かった。
俺の理想としては、やはり俺様攻めは生徒会長だな。
腹黒攻めは副会長、わんこ攻めは書記か会計…浮気攻めもありだな。
いや待てよ…?
あまりに王道すぎるのもつまらない。
大体、王道君がいなきゃ意味がないもんな。
最近ちょっと平凡受けも気になっているし、ここは学園を観察した方がいい。
「椿!」
「なんだ?」
「お前…聞いてんのかよ東雲」
うっかり妄想にふけていると、担任と武が呆れた顔をして俺を見ていた。
やべ、2人のラブラブっぷりを見逃した。
「聞いてますよ。右の階段を上がると各教室があって、左の階段を上がると職員室などがあるのでしょう?」
「あ、ぁあ…聞いてたのね……」
何故2人共ため息をつくんだ。
「俺の案内はここまでだ。何か質問はあるか?」
「いえ。ありがとうございました」
「…どうも」
一通り学園の説明を受け、今度は寮にやって来た。
すごい…
本当に王道だ。
この寮で色んな受け子ちゃんが毎晩毎晩さまざまな攻めズ達に啼せられているのか…
そう思うと顔が二ヤケそうになる。
「まぁ、お前ら2人これから大変になるだろうが頑張れよ」
「?大変、ですか?」
「…………」
「じゃあ、また明日な。朝、職員室に寄るの忘れんじゃねぇぞ〜」
そう言って担任は手をヒラヒラとさせて行ってしまった。
うん。
奴はキザ攻めの位置においておこう。
「椿。妄想はいいから、早く行くぞ」
「子猫ちゃんとヤる時はちゃんと部屋のカギを閉めろよ?」
「ねぇ。何言ってんのお前」
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