俺たち外部生。
「おーい」
「?」
警備員の方に中に入れてもらい、しばらく眺めていると、少し遠くの方から声が聞こえた。
「何だ?喘ぎ声か?」
「これのどこが喘ぎ声に聞こえるんだよ」
「外部生ってのはお前らか?」
走って近寄ってきたのは白衣を着た美形だった。
すげー…やっぱ美形率高いんだな。
というか、白衣萌え!
「はい。本日、この学園の生徒になる東雲椿です。こちらが…」
「………山田武です」
「おう。俺は飯島慧だ。A組の担任してる」
ちっ…
担任か。
てっきり保健室の先生かと思ったんだがな。
「にしても、礼儀正しいなお前。今時珍しいんじゃないか?」
そりゃあ猫被ってますから。
俺の事を知っている奴以外の前では常に優等生っぽくしなきゃならない。
かといっても、優等生すぎると逆に目立つ。
俺は萌えの為に猫を被る。
「いえ、普通ですよ。な?武」
「……俺に振るな…」
真面目ぶる俺を見るのに慣れている武は顔を引き攣らせている。
「仲良いな。お前らデキてんのか?」
「は?」
「なっ…違う!」
首を傾げる俺に対して武は顔を真っ赤にする。
それを見て担任の男は二ヤリと笑う。
「ふーん?なるほどなるほど……」
「…あンだよ」
「いや?別に?」
「…ムカつく」
こ、これは…
まさかの担任×武!?
顔を歪め、嫌そうな顔している武を見てニヤニヤと担任の男が笑っている。
くそぅ、萌えるじゃねぇか。
「んじゃ、とりあえずお前たちだけでも案内するぜ」
「行くぞ椿」
「ん?ぁあ」
歩きだした担任の後に付いていく。
何だよ。
もっとイチャイチャすれば良いのに。
俺の考えが読めたのか、武が俺の頬を思い切り引っ張った。
「いだだだだ」
「俺で妄想すんなっての」
良いじゃないか少しくらい。
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