やってきました明峰学園。
「素晴らしいな」
「椿。顔、顔。だらしないぞ」
「そう。よく分かってんな武。王道編入生はみだらに、だらしなく攻めに攻められれば良いんだ」
「違う俺の言っているソレはお前の事だ」
「行くぞ武。萌えはすぐそこだ」
「聞いてねぇし」
遠路はるばる明峰学園の敷地へやって来た俺と武。
この高校を受験する決めた時から俺はまさに血反吐を吐く勢いで猛勉強した。
実際に5キロほど体重が減ったくらいだ。
そんな中、待ちに待った合格発表の日。
大して緊張はしていなかったが、ここで予想外の事態が俺を待っていた。
『…………………………武?』
『おう、椿。俺とお前、合格だってよ。頑張ったなーお前』
『え、ちょっ…は!?なんで武が明峰の合格発表に来てんだ!?つーか合格!?まじで!?』
『そりゃあ、俺も明峰を受験したからに決まってんじゃん』
『ぇえー…』
なんて事があって、なんやかんやで俺と武は明峰学園の生徒になったのだ。
合格したのは嬉しい。
嬉しすぎる。
だがまさか武も明峰を受けるとは思ってもいなかった。
理由を聞いてみても『なんとなく』としか教えてくれなかったが、俺には分かる。
武は可愛い子を狙うハイエナなんだ。
きっと、初めから明峰を受験したかったが男子校のために中々言いだせなかったに違いない。
この照れ屋め。
腐男子である俺にまで黙っているなんて、水くさい奴だ。
「ニヤニヤするな。きしょいぞ」
「ふっ…お前は可愛いな。任せろ。俺が必ず王道編入生を見つけてみせる」
「ありがた迷惑だコンチクショウ」
俺と武は生まれた時から一緒で、家もお隣さん。
家族ぐるみで仲が良い。
ちなみに、俺が腐男子に目覚めたきっかけを作ったのが意外にも、武の兄貴だ。
まぁその話しはまだいいか。
「いいか武。お前はツンデレ攻めだ。王道君のあそこをぐちょぐちょにしてやれ」
「とりあえず君は自重する事を知ろう」
「だが俺は総受けが見たい。お前には悪いが、俺様攻め、鬼畜攻め、腹黒攻め、わんこ攻め、触手攻め、etc.達と王道君を取り合え」
「最後のは無理だろ!人外じゃねぇか!」
楽しみだ。
武は顔立ちが良く、昔からよくモテていた。
この学園にいる奴等も顔立ちが整っているに違いない。
「ふふ……」
「……………見えてきたぞ、椿」
武を見ながら笑うと、目を逸らして遠くの方を指差した。
気持ち悪い笑顔で悪かったな。
「おーまさに王道…宮殿みたいだな」
「マジ日本かよ……」
「あ、その感想は王道っぽいな武」
「分かったから早く中に入ろうぜ…疲れた……」
武は勉強はできるが、体力はあまり無いらしい。
俺は逆に体力はあるが、勉強は出来ない。
よく武に勉強を教わってたな…
「よし。行くか」
「ぁあ!」
「王道を求めて」
「…………お前…台無しだよ、色々と……」
待っていろ、俺の総受け計画!
to be continue...
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