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「友里はこんくらいじゃ全然ヘーキだよなー!図太いもんな!」
「わっバカアキ!」
「ふぅん…イイ度胸だな明彦…」
「……死んだなアキ」
「あわわ…」
ものすごい笑顔で明彦を見てやれば、自分が何を言ったのかやっと気付いたみたいだ。
「や、違っ…今のは褒め言葉で…!!」
今さら遅い。
「じゃあお礼に明彦の肩でも叩いて(壊して)あげる」
「今おかしい単語が入ったよ!?あ、いやすみませんごめんなさい!!」
平謝りをする明彦の髪をわしづかみにした時、異変は起きた。
ビ―――
ビー――
ビー――
ビー――
『警戒令発令!警戒令発令!』
!!!
学園中に響いた警音。
それは全校生徒の注意をひくには十分すぎるほどだった。
一気に食堂内に緊張が走る。
『校内に鬼の妖が侵入しました。妖は一匹。動きが非常に速く、風紀委員2名が負傷。校内の生徒は速やかに体育館へ避難して下さい。職員の方は誘導をして下さい。特進クラス、風紀委員、生徒会の生徒は各自妖の処理に向かって下さい。繰り返します――…』
食堂の生徒はざわつきながらも指示通りに移動を始めた。
「隆宏、お前は…」
「おれも行くよ。おれだけ避難なんてヤダし」
「……勝手にしろ」
隆宏はSクラスだが、俺達の誰かと行動していれば大丈夫だろう。
「隆宏と夜誇と明彦、俺とあずきで二手に別れよう」
「………ぁあ」
「友里…」
「気をつけてね二人とも」
隆宏の言葉に頷くと、あずきを連れて食堂を出た。
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